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カキ食う高級魚を捕って一石二鳥 食害対策に島根・隠岐で装置開発中

 養殖中のカキを食べるイシダイなどの「害魚」を駆除(捕獲)する装置を、島根県隠岐諸島の漁師と事業所が共同で開発している。害魚と言ってもタイは高級魚。カキを守りながら、もうかる魚を捕るという一石二鳥の取り組みだ。
 装置を考案したのは、島根県海士町の漁師吉川岳さん。隠岐・島前(どうぜん)(西ノ島、海士など3町村)の海で、ロープにつるして養殖していたカキが魚に食われる被害が出ていると聞いたことがきっかけだ。鮮魚販売などで付き合いのある「隠岐の島振興協会」(島後(どうご)の隠岐の島町)に商品化を相談し、開発が進んだ。同協会は隠岐の特産品販売などを手がけている。
 開発中の装置は、ステンレスの板で作った一抱えほどの大きさの箱。内部には、入り組んだ魚の通り道が設けられ、いったん入り口から入ると出にくくなる仕組み。
 昨年6~10月、カキ養殖のオフシーズンを利用し、西郷湾(隠岐の島町)の養殖イカダ付近の海底(水深約30メートル)に沈めて実証実験を実施。イシダイやマダイなどが入り込んでいた。だが、初号機は外部から目視で魚が入っているかがわからず、重くて引き揚げるのが大変などの問題点が判明した。
 このため、板を網目状にしたり、重量を25キロ程度と軽くしたりして、2号機を製作。今年3月から実証実験を始める予定だ。振興協会理事の前田裕太さんは「将来、隠岐でより食害が目立つかもしれない。そのリスクに対応し、養殖業者を守りたい」と話す。
 2号機は、内部の魚の通り道を変えた4パターンを製作した。来春までに、どのパターンに魚がたくさん入るかといったデータを集め、商品化をめざすという。

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島根:朝日新聞デジタル 2025-02-06 [Edit / 編集]

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