どんな人の言葉にも耳傾けたい 竹田絢音さんが全国作文コンで優秀賞
今年度の「社会を明るくする運動」作文コンテスト(法務省主催)で、島根県浜田市立金城中学校1年の竹田絢音さん(13)が優秀賞の一つ「全国保護司連盟理事長賞」に選ばれた。受賞作には「犯罪をしたことは悪いけれど、その人のすべてが『悪』ではありません。どんな人の言葉にも耳を傾け、思いに寄り添えるようになりたいと思います」と書いた。
犯罪や非行をした人の立ち直りなどについて考えたことを作文にするコンテストで、全国の小中学生から30万1664点の応募があった。中学生の部17万1824点の中で、竹田さんの作品は法務大臣賞(最優秀賞)に次ぐ優秀賞15作品の一つに選ばれた。
金城中では昨年6月、人権教育の一環で市内にある官民協働の刑務所「島根あさひ社会復帰促進センター」の職員を講師に招き、生徒たちが受刑者の社会復帰について学んだ。竹田さんは、受刑者には虐待やいじめを受けて育ち、心の傷が残っている人が多いことを知り、「ただの悪い人とは思えなくなった」という。
作文には「過去のつらい経験が積み重なった結果、捕まるとわかっていても犯罪に手を染めざるを得ない状況に追い込まれているのではないでしょうか」と書いた。同センターの更生プログラムにも触れ、受刑者同士の対話をベースに気持ちを分かち合う訓練について「人間関係を築くことで自信を取り戻し、再犯防止につながる」とつづった。
今年1月20日、竹田さんは浜田市役所で久保田章市市長に受賞を報告。久保田市長は「幼いころの教育の重要性を考えさせられる作品」とたたえた。竹山勝彦・浜田地区保護司会長も「文面に罪を憎んで人を憎まずとあるが、保護司をしながら本当に人を憎んでいないのか、深く反省させられた」と語った。
竹田さんは「もしいじめを受けている人がいたら、話を聞くようにしたい。少しでも気持ちが明るくなれば、犯罪を減らしていくことにつながると思う」と話した。
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島根:朝日新聞デジタル 2025-02-09 [
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