島根県警の「科捜研の男」に奨励賞 日本法科学技術学会
人を傷つける凶悪犯や万引き犯の姿から交通事故の現場まで、防犯カメラやドライブレコーダーは、今や治安を守るために無くてはならない存在になった。その画像の再現で画質向上に取り組んでいる島根県警科学捜査研究所の警察技師が、日本法科学技術学会の発表で奨励賞を受賞した。
県警刑事部の科捜研に勤める主任研究員、濱野聖也さん(37)。防犯カメラやドライブレコーダーの画像を3D(立体)画像として仮想空間で再現する際、誤差を少なくして画像の質を上げる手法を開発したという。
同県江津市出身の濱野さんは大学院修了後、IT大手でエンジニアとしてシステム開発に携わった。2018年4月、「生まれ育った地元で働き、県に貢献したい」と科捜研の警察技師に転職した。
物理科に所属し、火災現場の燃焼機器や銃器・弾丸類の解析、構造物の倒壊といった労働災害事故や交通事故の原因究明や解析にあたる。情報工学を学んできたため画像処理分野に興味があり、研究を続けている。
昨年11月に都内であった学会の学術集会で、「3Dデータのレンダリング画像最適化に基づくカメラ画像再現」と題して発表。選考委員から「最新の画像処理技術を用いた高度な研究」と評価され、7部門の一つ、法工学部門の奨励賞に選ばれた。発表した技術は事件や事故の場面で活用されているという。
丸山直紀本部長は5日、濱野さんに表彰状を授与。「優秀な成果を上げていただき、県警の誇り」と話した。
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島根:朝日新聞デジタル 2025-02-13 [
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