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竹島と隠岐の関係、高大連携で初講義 島根大が隠岐高校で

 日韓がそれぞれ領有権を主張する竹島と隠岐との関係について、島根大学の学生と同大の舩杉力修(ふなすぎりきのぶ)教授(歴史地理学)が12日、初めて県立隠岐高校で生徒に授業をした。
 「高大連携教育」の一環。舩杉教授と授業をしたのは、隠岐高の卒業生で法文学部社会文化学科「歴史と考古コース」で学ぶ木瀬春香さん(20)。2人は隠岐と竹島の関係について、竹島でのアシカ猟を取り上げた。
 1897年に隠岐の住人が竹島で猟を始め、数年で9組のグループができていたこと、アシカの絶滅が危惧されて1905年には島根県の許可制になったこと、韓国のグループは存在しなかったことなどを説明。「韓国は竹島を統治したことがなく地理的な認識もなかった」などと解説した。
 木瀬さんは中学時代、祖父に話を聞いて竹島作文コンクールに応募。領土問題の見方が変わるきっかけになり、その後少しずつ勉強してきた。いまは県の竹島資料室(松江市殿町)で学生解説員を務めている。
 問題を解決するにはどうしたらいいか。木瀬さんは「みんなの声が強くなればなるほど政府や政治家に届くようになると思う」。舩杉教授は「竹島問題について日本政府の優先順位は下。世論が盛り上がらないといけない」と述べた。
 授業を受けた畠山雪亜さん(17)は東京都大田区から高校2年の1年間、隠岐高校に「留学」している。「竹島の名前は中学の授業で聞いたことがあったけど、どこにあるかも知らなかった。そんな歴史があったんだ、と学びました」と話した。
 参観した隠岐の島町竹島対策室の八幡貴之さんは「隠岐出身の学生が竹島教育を続けてくれ、頼もしく感じます。将来の後継者にもなり得る」と話した。
 島根大による竹島関連授業は1月末に県立松江東高校でも実施され、同大学生と舩杉教授が日韓の古地図をもとに竹島問題を読み解いた。

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島根:朝日新聞デジタル 2025-02-14 [Edit / 編集]

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