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「あまやさい」はいかが ソラマメや小松菜、地産地消に取り組む尼崎

 「あまやさい」をもっと知って、食べて――。兵庫県尼崎市は、市内産の野菜「あまやさい」の認知度向上や消費拡大を図ろうと、市認定の地産地消推進店に登録された店への運搬費を補助する事業を5月、スタートした。農家の販路拡大を後押しし、登録店を増やすことが狙いという。
 「あまやさい」は2019年に市がつくった愛称で、市内で生産された野菜が対象。小松菜やホウレン草、水菜などの露地栽培の葉物が多く、「一寸(いっすん)ソラマメ」「田能のさといも」などの伝統野菜、イチゴなど果物もある。市によると、市内にある農地は約80ヘクタール(市域の約2%)、登録している農家数は約500戸。
 市には、飲食店から「『あまやさい』を安定して仕入れたい」、農家からは「運搬のコストがネック」などの声が寄せられていたという。1回の運搬に対し、農業者には1250円、市場関係者には500円を補助する。登録店は5月8日時点で市内に11店となっていて、市のホームページの「あまやさい地産地消推進店」で検索できる(https://www.city.amagasaki.hyogo.jp/manabu/nouen/1040043.html)。
 市のほかも「あまやさい」を後押ししようと取り組んでいる。
 一般社団法人あまがさき観光局は、高瀬味噌販売(尼崎市)と共同で小松菜を使ったオイル調味料「小松田の小松菜」を開発した。パッケージには「落第忍者乱太郎」のキャラクター、小松田秀作がデザインされている。商品はイタリア食堂ベルドゥーラ(同市富松町2丁目)のシェフ、田中孝治さん(52)が監修。小松菜にニンニクなどを合わせ、オイルベースで仕上げている。
 田中さんは22年前のオープン時から「あまやさい」を食材に活用してきた。「地元の野菜はぎりぎりまで畑にあるから新鮮。『あまやさい』はえぐみがなく、うまみがある。さといもや小松菜はスイーツにしてもおいしい」と話している。
 「乱太郎」の作者、尼子騒兵衛さんは同市出身・在住で「あまがさき文化観光アドバイザー」を務める。尼崎らしさが感じられるように、商品の名称やパッケージに使用したという。
 150グラム入りで740円(税込み)。尼子騒兵衛漫画ギャラリー(同市開明町2丁目)、高瀬味噌販売(同市潮江4丁目)、ベルドゥーラで販売。現在は完売していて、5月下旬に再入荷の予定という。問い合わせは同観光局(06・6409・4946)。
 市の伝統野菜のひとつ「一寸ソラマメ」は、約1300年前に武庫村(当時)に伝わり、武庫地域や富松地域で栽培されてきた。昭和30年代以降に都市化が進み、農地や農家が減少したことなどから生産量が激減し、「幻の豆」と呼ばれた。この豆を復活させようと、1997年に「富松豆保存研究会」が発足。地域の特産品として、JAや農家らが保存と継承に取り組んでいる。
 5月が収穫期で、JA兵庫六甲塚口支店前(同市塚口町1丁目)では16日まで午後2時から即売会が開かれる。売り切れ次第終了。問い合わせはJA兵庫六甲尼崎営農支援センター(06・6433・3441)。

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兵庫:朝日新聞デジタル 2025-05-14 [Edit / 編集]

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