フィシスの波文 文様に見る自然への畏敬
まちのほとり座 あくまでもインターネットにある情報ではあるが、おそらく7万年前から「文様」は使用されていた。意図的に発する「音」は4万年前ぐらいからだそうだ。地球の歴史そのものからすれば一瞬の出来事だが、縄文と音楽好きの私にとってはとても興味深いことである。
人間が創り出すデザインなどの美しさは、自然の中にある究極の「美」には到底敵(かな)うわけはないが、その自然から切り取ったパーツのような模様を上手に並べ、色合いを使って魅することで、自然そのものへの畏敬(いけい)の念を感じさせてくれる。
渦巻き模様を一つの題材としてあげてみると、渦に吸い込まれそうな少し怖い印象もある一方で、魔除(よ)けや厄除けの意味が込められていたり、宇宙的なエネルギーを表すという説も存在したりしている。このような柄が日本で多く用いられる要因として、日本に古来伝わる自然信仰の感覚と親和性があるように思う。(ほとり座 田辺和寛)
◆24~30日、監督茂木綾子、日本、85分。
◇ほとり座(
https://hotori.jp)
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富山:朝日新聞デジタル 2025-05-17 [
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