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小児がんの娘を助けたい 救う会立ち上げ CFで治療薬の購入費募る

 小児がんの一種を患う吉崎うたちゃん(5)=徳島県松茂町=の両親が今年2月、友人らの支援を受けて「うたちゃんを救う会」を結成した。クラウドファンディング(CF)などを活用し、高額な治療薬の購入費を募っている。
 母の吉崎志穂さんらによると、うたちゃんは2歳7カ月ごろ、腹痛や発熱などの異変が見られるようになった。小児科で血液検査を受けると、異常な数値が出たため、県内の病院に入院。精密検査を受けたところ、小児がんの一種で高リスクの神経芽腫(がしゅ)と判明した。すでに腫瘍(しゅよう)が全身の骨や骨髄に転移し、ステージ4と告げられた。志穂さんは「『何の話をしているのだろう』と、信じられない気持ちだった。医師の話が頭の中に入らず、受け止めることができなかった」と振り返る。
 うたちゃんは入院中、2度の手術を乗り越え、2023年12月末に退院。1年7カ月ぶりに自宅に戻ることができた。「やっと家族みんなで自宅で暮らせるようになり、うれしかった。ほっとした」。昨春からは保育園にも通い始めた。
 しかし再発リスクが高く、再発した場合の生存率は1割未満とも言われている。そのリスクを減らすためには、米国で23年に承認された治療薬「エフロルニチン」を約2年間にわたり投与することが有効とされているという。
 日本ではこの薬は未承認で、医療保険は適用されない。米国からこの薬を個人輸入するしか方法はないが、全額自己負担となるため、約2年間で計約6千万円が必要になる計算だという。
 「何とか自分たちで費用を工面できないか、いろいろと模索をしてみたけれど、一般家庭の私たちに全額を用意することは難しいとわかった」。それでも諦めきれず、「CFで(支援の)お願いをするしか残された手段はない」と考え、会の結成を決断したという。
 CFサイト「For Good」での支援受け付けは6月8日まで。銀行振り込みでも受け付けており、5月10日時点で目標の半額ほどが集まっているという。志穂さんは「何とか娘の命を助けたい。力を貸してほしい」と訴えている。

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徳島:朝日新聞デジタル 2025-05-22 [Edit / 編集]

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