停電で中止のバスケB2優勝決定戦 両クラブ優勝の裁定に至る経緯は
バスケットボールBリーグ2部(B2)の年間優勝クラブを決める最後の試合が中止となった。原因は会場となった千葉市の施設の停電で、市長が謝罪する事態に。「どちらが優勝になるのか」。両クラブのファンの間には不穏な空気も漂う中、リーグが下した結論は「双方優勝」だった。
19日、千葉ポートアリーナ(千葉市中央区)でB2のプレーオフ決勝、アルティーリ千葉(A千葉)対富山グラウジーズの第3戦が開かれようとしていた。
決勝は2戦先勝方式で、第1戦は92対98で富山が、第2戦は92対71でA千葉が勝利。この日の試合でまさに優勝クラブが決まるはずだった。
試合開始直前に 試合開始1時間半ほど前、観客も入場して選手たちもウォーミングアップをする中、突然会場が停電した。
当初は一時的な停電かと思われた。非常灯がついた薄暗い会場で、選手たちもアップを続けていたが復旧しない。主催者たちがコート中央で話し合いを始め、やがて「試合は中止となりました」とアナウンスがあった。
両クラブともすでにB1への昇格は決めていた。だが、A千葉のアンドレ・レマニスヘッドコーチが準決勝後、「昇格だけではなく優勝を全員で目標にしてきた」と話していたように、年間優勝の称号を得て次のステージに進むべく、この試合に両クラブが力を入れていた。
平日夜の試合で、観客の多くは仕事を休んだり早退したりして駆けつけていた。特に富山側は遠征してきたファンも多かった。
中止が決まった際、多くのファンは選手らにねぎらいの拍手を送ったが、怒号がとぶ一幕もあった。
責任は?優勝は? 再試合に向けてクラブやBリーグが調整に奔走したが、会場が見つからなかった。20日夜に試合の不開催が発表されたが、その前後から停電の責任について議論が巻き起こった。
というのもBリーグの規約には「公式試合が一方のチームの責に帰すべき事由により開催不能または中止となった場合には、その帰責事由あるチームは、原則として0対20で敗戦したものとみなす」とあるからだ。停電がポートアリーナをホームアリーナとするA千葉の「責に帰す」となれば、富山の優勝となる。
一方、新型コロナ禍に伴い2022年に発表された試合中止時の取り扱いでは、B2プレーオフ決勝が不成立だった場合「プレーオフ出場順位に基づき1-2位を決定」と書かれていた。その場合はA千葉が優勝だ。
SNS上では「(第3戦が中止になれば優勝になる)A千葉が意図的に停電」など根拠不明の投稿もなされ、不穏な空気が漂った。
千葉市が発表した停電の原因は その中で20日、ポートアリ…
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富山:朝日新聞デジタル 2025-05-24 [
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