天国の日々4K よみがえる本物の美しさ
まちのほとり座 CG技術が映画業界に取り入れられた1970年代。そのリアリティー溢(あふ)れる映像が、人々の映画体験に大きな革命を起こした時代とも言えるが、同じ時代に『天国の日々』を監督したテレンス・マリック氏は、自然光にこだわり徹底したリアリズムで本作を描ききった。〝マジック・アワー〟と呼ばれる日没間近の繊細な光の中で撮影するため、1日の撮影時間は日没前のわずか20分間だったという。とんでもない執念だ。
困難な自然光での撮影が物語る光と闇のコントラストは、どんな人間にも天使と悪魔のようなものが存在することを表現しているかのようだ。映し出される自然の恩恵と驚異、愛憎によるもつれに翻弄(ほんろう)される人間の姿は昔も今も変わらない。
47年の時を経て、監督自らが監修して4K版となって現れた本物の美しさは息を呑(の)むほどであり、私の記憶に永遠の名作として刻まれた。(ほとり座 ジャンパー)
◆31日~6月6日、監督テレンス・マリック、アメリカ、94分。
◇ほとり座(
https://hotori.jp)
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富山:朝日新聞デジタル 2025-05-24 [
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