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本物のクフ王の墓は エジプト・大ピラミッド周辺の空白地帯を発掘中…吉村作治さん、本庄で成果を報告「12月には何か出てくるのでは」

 本庄市西富田の本庄早稲田の杜(もり)ミュージアム早稲田大学展示室で25日まで開催中の企画展「古代エジプトの棺(ひつぎ)と埋葬」に合わせ、早稲田大学名誉教授で東日本国際大学総長の吉村作治さん(82)による特別講演会「エジプト発掘最新報告」が、同ミュージアムで行われた。発掘成果を報告しながら「クフ王の墓を見つけたい」と衰えぬ意欲を語った。
 吉村さんを中心に結成された早稲田大学エジプト調査隊は、1971年に最初の調査権をエジプト政府から取得し、マルカタ南遺跡の発掘を開始。新王国時代のファラオ(王)、アメンフテプ3世の儀礼用彩色階段が発見され、周囲からは後の時代のひつぎも多く見つかった。その後、ダハシュール北遺跡では未盗掘墓が発見され、彩色木棺(もっかん)や青いミイラマスクなどの大発見があった。
 講演会で吉村さんは小学4年生の時、いじめられていたが、図書室で古代エジプトのツタンカーメン王の墓を発見した英国の考古学者ハワード・カーターの発掘記「ツタンカーメン王の秘密」と出合ったことを紹介。「すごくわくわくした」と振り返った。
 2023年12月からはクフ王の大ピラミッド周辺の西部墓地にある空白地帯を発掘中。大ピラミッドは王の墓とされているが、本物のクフ王の墓は空白地帯にあると考えている。「12月には何か出てくるのではないか」と話した。
 同日は歴史や文化に触れる「ミュージアムデー」として市民俗芸能上演会も実施。金鑚神楽杉田組が「種蒔(たねまき)」を上演し、早稲田大学ケルト音楽同好会がアイルランドやスコットランドの民族音楽を伝統楽器で演奏し、来場者を楽しませていた。

埼玉新聞 2025-05-25 [Edit / 編集]

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