県知事に成り代わり、厚く御礼!丁寧なお辞儀で会場に笑い 小鹿野子ども歌舞伎、全国植樹祭で披露 秩父神社に心地よく響く口上 陛下の前でも息ぴったり、温かい拍手送られる
「秩父・小鹿野の空は澄み渡り、埼玉県、全国の森林は弥(いや)栄え、全国植樹祭はとこしえに、ますます御贔屓(ごひいき)お引き立てくださいますよう、隅(すみ)から隅までず、ずいーと、おん願い上げ奉(たてまつ)りますー」
25日午前11時ごろ、裃(かみしも)の伝統衣装に身を包んだ小鹿野小学校4年の森瑛茉さん(9)と安出茉紘さん(9)の口上は、秩父神社参集殿に心地よく響き渡り、ご鑑賞された天皇陛下から温かい拍手が送られた。
終演すると、陛下は子ども役者2人の元へ歩み寄り、「歌舞伎を始めたきっかけは、なんですか」「お稽古のどんなところが大変ですか」などと熱心に問いかけられた。ご懇談後、2人は、「素晴らしい口上をありがとう」と陛下からお言葉をかけられると、晴れやかな笑顔で返した。
森さんと安出さんは、江戸時代から引き継がれている小鹿野歌舞伎を継承する団体「小鹿野子ども歌舞伎」のメンバー。これまで、地元の郷土芸能祭や全国地芝居サミットなど数々の舞台を経験してきた。陛下の前でも、息ぴったりのせりふ回しを堂々と披露。「県知事大野元裕に成り代わりまして、厚く厚く御礼申し上げる次第にござりまする」と、丁寧なお辞儀を見せる場面では、会場に笑いが起こった。
森さんは「(陛下は)とても優しかった」、安出さんは「すごく緊張した」と振り返った。
秩父ミューズパーク内のおもてなし広場の舞台では、小学2年~中学1年生の小鹿野子ども歌舞伎メンバー8人が演目「菅原伝授手習鑑 吉田社頭車引之場」を披露。1月から20回以上取り組んできた稽古の成果を存分に発揮した。
主役の松王丸を演じた小鹿野中学1年根岸明日香さん(12)は「小学4年から歌舞伎を始め、今回が一番難しい役だった。植樹祭の大舞台で小鹿野歌舞伎を披露するのは、とても誇らしい気持ち」と話していた。
埼玉新聞 2025-05-26 [
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