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住民を悩ます牛ふんの臭気、専用アプリで報告 データ集めて対策へ

 岡山県笠岡市は、住民の長年の悩みの種となっている牛ふんなどの臭気対策について、住民からの協力を得て本格的に乗り出す。
 市街地から西に数キロに位置する笠岡湾干拓地は1990年に完成した。1万頭を超える牛が飼育され、県内の牛乳の4割以上を生産している。一方で臭気は風に乗って市街地に流れ込み、住民を悩ませ続けてきた。
 市は今年3月、臭気対策ロードマップを作成。新たな対策として、7~9月に実施する干拓地バスツアーの参加者に「臭気報告モニター」として協力を依頼。居住地での普段の生活のなかで臭気がした場合、市の専用アプリ「KABAR」を使って時間や場所などを詳細に報告してもらう。アプリは2022年8月に運用を始め、昨年3月までに約1200件の報告があったという。
「この臭いは何なんだ」定住阻害の要因にも 市は、モニターに同じ場所で定期的に報告をしてもらうことで、臭気の流れる方向や季節による影響など、これまで以上に詳細な情報が収集できる、としている。データを分析して将来的には臭気が出やすい季節や時間帯などをAIを活用して予測できるようにするという。
 30日の定例会見で栗尾典子市長は「臭気が特に若い人の定住を阻害する要因になっている。住み替えをする時に『この臭いは何なんだ』となっており、市外に家を建てるなど、かなりの影響がある」と深刻な現状を説明。臭気が出やすいタイミングを予測できるようになると農家への注意喚起が効率的に行えるようになるといい、効果を期待している。

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岡山:朝日新聞デジタル 2025-05-30 [Edit / 編集]

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