安藤忠雄さん建築「直島新美術館」が完成 地域に溶け込む施設めざす
「現代アートの聖地」といわれる香川県直島町に「直島新美術館」が31日、開館する。「ベネッセアートサイト直島」を展開する公益財団法人福武財団が建設した。29日には、開館を前に町民ら93人が館内を見学した。
本村地区の集落近くの小高い丘の上に建てられた同館は、建築家の安藤忠雄さんが直島で手がけた12番目(ベネッセアートサイト直島では10番目)のアート作品。地上1階地下2階の構造で、集落の住宅外壁で多く採り入れられている「焼き杉」をモチーフにして、外壁には黒色のしっくいをあしらった。地域に溶け込む施設をめざしたという。
現代美術家の村上隆さんや会田誠さんの作品も含め、アジアの作家12組による17作品を展示する。2026年2月以降は徐々に展示を入れ替えるという。
併設されるカフェは、町民がメニュー開発や運営を担う。福武財団の福武總一郎・名誉理事長は「地域の人に近づいた美術館になれば」と話す。気軽に楽しんでもらうため、カフェ利用に入館料は不要だ。
館長に就いた三木あき子さんは「直島には繰り返し訪れる人もいる。今回は、展示替えやワークショップも実施して今までより動きのある施設にしたい」と強調する。
島のアート作品についてボランティアでガイドをしてきた堀口容子さん(76)も見学した一人。「開館してすぐは、新美術館に人が集中すると思うけれど、(直島)全体を見たい方もいらっしゃるのでは」と、波及効果を期待した。
鑑賞チケットはオンライン購入1500円、窓口購入1700円、15歳以下は無料。月曜休館。
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香川:朝日新聞デジタル 2025-05-31 [
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