初公開の油彩や富山で発表の作品も 竹久夢二の展覧会、水墨美術館で
大正ロマンを代表する画家・竹久夢二(1884~1934)の展覧会が、富山市の富山県水墨美術館で開かれている。初期から晩年までの作品や資料、180点以上を展示。「夢二式美人」にとどまらない表現の魅力と、商業美術や執筆も手がけた、多才ぶりを紹介している。
作品のほとんどは夢二郷土美術館(岡山市)の所蔵。見どころの一つは油彩画だ。恋人の「お葉」がモデルとされる「アマリリス」は、約80年ぶりに所在がわかり、各地を巡回するこの展覧会で初公開されている。
くつろぐ芸妓(げいぎ)の姿を捉えた「こたつ」(展示は8日まで)は、大正4(1915)年に富山市の画会で発表された。現存する夢二作品で最大級という。
会場では5月31日、同館副主幹の丸山多美子さんがギャラリートークを行った。働く人や貧しい人、子どもに目を向け、関東大震災の被災状況を報じるなど、あまり知られていない夢二の一面に触れた。「人物の生きた時代、まとう空気まで、心をこめて描いていることを感じてほしい」という。
「生誕一四〇年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界」は6月29日まで。月曜休館。一般1500円、大学生1200円。問い合わせは富山県水墨美術館(076・431・3719)。
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富山:朝日新聞デジタル 2025-06-01 [
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