丸亀城の石垣復旧工事、工期3年遅れに 総事業費も33億円増
2018年の西日本豪雨や台風で崩落した丸亀城(香川県丸亀市)の石垣の復旧工事を進めている丸亀市教育委員会は2日、工事の完成をこれまでの予定より3年遅れの31年3月とし、総事業費も約33億円増の86億円になる見通しを明らかにした。
この日開かれた丸亀城石垣復旧専門部会(部会長=山中稔・香川大教授)で、市教委が工期と事業費の見直し案を示し、了承された。
市教委によると、崩れた石の積み直しで、回収された石の中に再利用できない破損した石が想定より多かったため、新たに501個の石を作る必要がでてきたという。また、昨年8月から始まった石の積み上げ工事の進み具合や現場作業員の休み確保などを考慮し、工期を3年延ばすことが必要になったという。
事業費では、新たな石を作るための費用などで19億9千万円増となるほか、工期延長に伴う人件費などで8億6千万円増える。さらに、セメントを使った補強など現代工法を採用したことでも5億円増額になるという。増加する事業費の7割は国の補助金を充て、残りも災害復旧の際に使え、市の負担が軽減される市債を発行する。
専門部会では、石垣の角に大きな石が必要になったことを踏まえ、石の調達区域を「備讃瀬戸産」から「瀬戸内海産」に拡大することも明らかにした。市丸亀城管理室の大林隆之室長は「全国でも例を見ない高さ31メートルの石垣復旧に向けて難しい工事に挑んでいる。慎重に進めるとともに、一日も早い復旧を目指して取り組みたい」と話している。
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香川:朝日新聞デジタル 2025-06-03 [
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