パリの風よ吹け 洋画家・福島金一郎の世界 没後30年記念展
岡山県勝央町出身で中央画壇で活躍した洋画家、福島金一郎(1897~1994)の没後30年記念展「―愛(いと)しの仏蘭西―」が同町の勝央美術文学館で開かれている。29日までの会期で、一部を入れ替えながら油彩画を主に65点を公開。福島がこよなく愛したパリの風が薫る。
福島は地元の老舗和菓子店「板屋」の次男として生まれた。洋画家の小出楢重や鍋井克之に師事。1926年に二科展に入選し、28年に渡仏した。巨匠ボナールらに師事して展覧会「サロン・ドートンヌ」に入選し、色彩画家として認められた。戦時疎開中は勝間田高校や近隣の津山市にあった短大で教壇に立っていた。
国内では二科展の重鎮となり、作品「船着場」はパリ近代美術館に収蔵され、作品「公園の人々」は内閣総理大臣賞を受賞。名誉町民にもなった。
今回は、作品「昼下がりの公園」「キァール フール・ド・モンパルナッス」「セーヌ川」のほか、大通りへ向かう親子や通りを散歩する親子などパリの風景や人々を描いた作品が秀逸。好んで描いていたという岡山県北の那岐山をモチーフにした作品も登場し、卓越した審美眼がうかがえる。
月曜休館。観覧料は一般300円、大学生と65歳以上200円、高校生以下無料。町内の65歳以上は証明書提示で無料。問い合わせは同館(0868・38・0270)。
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岡山:朝日新聞デジタル 2025-06-07 [
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