「いそげ! やねのうえに」命守る分かれ道 豪雨への備えを絵本で
2018年の西日本豪雨で被災した倉敷市真備町の住民団体が、活動資金調達のためクラウドファンディング(CF)を始めた。防災教育絵本の作成などにあてる。関連死を含め74人が犠牲となった大災害への関心が薄まる中、「私たちと同じ経験をする人を一人でも減らしたい」と活動継続に理解を求める。
約1700世帯のほぼすべてが被災した川辺地区の住民有志が立ち上げた「川辺復興プロジェクト あるく」。被災3カ月後から地域再建や防災活動に取り組み、被災経験を県内外で伝えるなどしてきた。活動原資は寄付と助成金。
被災経験から学んだことを子育て世代に伝える「防災おやこ手帳」は「逃げて守る」と「備えて守る」の2編計4万5千部を全国に届けた。22年からは毎夏小学5年生を対象に3日間の「くらしきジュニア防災リーダー養成講座」を開催。被災者や専門家を講師に、楽しく学びながら次世代に実践的な防災教育を提供してきた。
今年は新たな取り組みとして、避難訓練と防災教育の重要性を伝える絵本「あめがいっぱいふったらね」を作成。真備で被災した小学生がイラストを描き、同じく被災した親子の双方の視点から、災害の怖さを優しく伝えられるよう仕立てた。
絵本は助成金を活用し県内の教育機関などへの配布を準備しているが、県外や個人の希望者にも届けるためには資金不足という。運営費などと合わせて目標は200万円。CFサイト「CAMPFIRE」で7月13日まで募っている。
「あるく」の槙原聡美代表は「年月とともに助成金と寄付が集まりにくくなっているのが現状」と説明。その上で「リスクへの備えが命を守る分かれ道になることを、7年前の豪雨で身をもって経験した。被災からの学びを全国の子どもたちに伝えるのが私たちの務め」として支援を呼びかけている。
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岡山:朝日新聞デジタル 2025-06-08 [
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