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悔しさばねに秋の神宮へ再出発 大学野球・全日本逃した三重県代表の皇學館大

【皇學館大―日大国際 二回2死一、二塁、皇學館大の先発森本に代わってマウンドに登る工藤(右)=5月25日、ぎふしん長良川球場で】

全日本大学野球選手権大会が9日、明治神宮球場などで開幕し、全国27連盟の春季リーグ戦などを勝ち抜いた27校が出場する。今年74回目を数える同大会で、三重、岐阜、静岡の大学・高専チームが加盟する東海地区に所属する三重県勢は、2015年に皇學館大が初出場で1勝を挙げて以来出場を果たせていない。今年の地区代表決定戦を兼ねて5月に岐阜市で行われた東海地区春季選手権大会でも、県代表の皇學館大が全国まであと1勝で敗退した。

皇學館大は今年の三重県リーグ春季リーグ戦を制して東海大会に出場した。相手のすきを突いた攻撃と投手中心の堅い守りがチームの伝統で、昨年秋ベストナインを受賞した4年生の主戦右腕工藤岳が出遅れた今年の春も、同学年右腕の森本匠らの活躍で2季連続の無敗優勝。今季先発デビューの森本は最優秀選手賞とベストナインを初受賞した。
東海大会では日大国際関係学部(静岡)と朝日大(岐阜)と総当たりした。朝日大戦は10―2の八回コールド勝ちを収めたが、事実上の東海地区代表決定戦になった日大国際関係学部戦は4―6で敗れて、10年ぶりの全日本大学選手権出場を逃した。
先発した三重県リーグMVPの森本が2回途中で降板に追い込まれる波乱の幕開け。三重県リーグで防御率0点台の快投を見せた下手投げ右腕だが東海大会の登板は初めて。初回1番打者に中前打を許すと制球が乱れた。味方の失策も絡んで1回2/3を5失点と打ち込まれた。
継投した工藤が1失点で粘ったが、打線が日大国際関係学部の投手陣をとらえきれなかった。五回2死二塁で適時二塁打を放った4年生の2番打者村田貴俊らの活躍で、プロ注目右腕の林京平を六回途中で降板に追い込み、後を継いだ左腕佐藤開の立ち上がりを攻めて、濵野廉太、川合爽斗の4年生中軸で1点を加えたがその後は得点を阻まれた。
【皇學館大―日大国際 五回2死二塁で右中間を破る適時二塁打の皇學館大2番村田(左)。塁上でガッツポーズ=5月25日、ぎふしん長良川球場で】
野手も例年に比べて公式戦の経験が少ない選手が多かった。主砲で主将の川合は「誰か1人頼れる選手がいるわけではない」。各自に責任感を持たせるため、1人1人に役目を設けるなどして意識改革を図ったという。試合後は「皆に嫌われる覚悟でやってきた。それでも(全国に)届かなかった」と言葉を詰まらせた。
【皇學館大―日大国際 遊ゴロに倒れ、皇學館大の最終打者になった2年生の代打樋尾を慰める上級生たち=5月25日、ぎふしん長良川球場で】
チームは秋の明治神宮野球大会に向けて再出発。選手らは悔しさをばねに再び前を向く。「ここまでやって来たことには間違いがない」と川合主将。「まだまだ実力不足。対策されても打てないくらいの投手にならないと上で通用しない」と話す森本は「秋も続けるつもり」と話し、涙を浮かべて、春で引退する同級生らと別れを惜しんでいた。

伊勢新聞 2025-06-09 [Edit / 編集]

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