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福外科病院 須佐病院 和歌山メディカルネットワーク「競争ではなく協調」

和歌山県で初 地域医療連携推進法人に認定
 和歌山市和歌浦東の福外科病院と、同市吹屋町の須佐病院が手を携えた「一般社団法人和歌山メディカルネットワーク」(以下、ネットワーク)が3月、県で初めて地域医療連携推進法人に認定された。代表の福昭人院長=写真上=は、「競争ではなく協調。新たな視点で地域医療を支えていきたい」と意気込んでいる。
地域完結型の核に

 連携推進法人制度は2017年、医療法改正に伴い創設された。国が進める「地域医療構想」達成に向け、経営母体の異なる医療機関や介護施設が協力しながら、質の高い医療の継続的提供を目指す。都道府県知事が認定し、25年1月1日現在、全国に45法人ある。
 近年、医療の現場は、人口減少や高齢化、廃業等による医師不足、大病院への患者集中など、多くの課題に直面している。福院長は従来より、「これからの時代は、住み慣れた場所で、必要な医療を切れ目なく受けられる『地域完結型』が求められる」と見越してきた。核となるのが中小病院で、ネットワークがその枠組みという考えだ。

 タッグを組む須佐忠史理事長は、「少しでも和歌山の医療に貢献したいと賛同した。始めるにあたり、当初は難しいこともあるだろうが、まずは一歩を踏み出すことが重要」と意義を語る。県医務課の松元佑介主事は「地域のニーズに即してうまく機能分担し、充実した医療サービスの提供につなげてもらえれば」と期待を寄せる。
街の医療支える  
 ネットワークではまず、業務効率化の観点から、人材の交流や適正配置、物品の共同購入、医療機器の共同利用などに加え、デジタル化の促進に着手。また、高齢化に伴う認知機能の低下や抑うつなどを診察する精神科を総合診療で提供するほか、産業医として働き盛りの健康をサポートするなど、中規模病院ならではの専門性とそれぞれの特色を生かした取り組みを実施していく。
 「ふたつの病院が連携して、街全体の医療を支えていくのがネットワークの使命」と福院長。「病気を治すのは当たり前。その上で、患者さんの声にしっかりと耳を傾け、よりよい形に柔軟に変革させていきたい。ネットワークは地域の皆のもの。いろんな意見を寄せ、育ててほしい」と呼びかけている。
(ニュース和歌山/2025年6月7日更新)

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