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遷宮に向け「御樋代木」外宮へ陸曳 伊勢、400人威勢よく 

【雨の中、ご神木を載せた奉曳車を引く市民ら=伊勢市で】

【伊勢】伊勢神宮の第63回式年遷宮に向け、ご神体を納める器のご用材となる外宮用の「御樋代木(みひしろぎ)」のヒノキが10日、前日の内宮用に続き、伊勢市に到着。奉曳車(ほうえいしゃ)にご神木を載せ、市民らが外宮へ運ぶ「陸曳(おかびき)」が行われ、雨の中、白い法被姿の子どもから大人まで約400人が威勢よく引いた。
【五丈殿前に降ろされるご神木=伊勢市の伊勢神宮外宮で】
木曽の山中で切り出されたご神木を載せたトラックは、この日の朝に津市を出発。午前10時半ごろ、伊勢市の度会橋のたもとに到着すると、祝砲花火が打ち上げられ、集まった市民らは、日の丸の小旗を振って出迎えた。歓迎の木遣りが披露された後、ご神木1本が、トラックから奉曳車に積み替えられ、しっかりとロープで荷締めされた。
午後1時半、奉曳車1台が外宮に向けて出発。引き手は、市内各地区でつくる奉曳団の代表らが担った。木製の奉曳車は、高さ2.5メートル、幅3.8メートル、長さ7.5メートル。ご神木を含めた重さは約8トン。車につないだ綱を引き、力強く前進すると、車輪がこすれ合う独特の「わん鳴り」の音が響く。
雨が降り続く中、道中、威勢のいい木遣り唄を披露しながら、「エンヤ」の掛け声で練り歩き、約2キロの道のりを2時間ほどかけて、外宮に到着した。先頭で引いていた厚生小3年の岩村楓さん(8つ)は「雨だったけど、綱も重かったけど、楽しかった」と笑顔。参加した黒瀬町奉曳団副団長の中村直樹さん(54)は「20年に一度の行事。木曽から届いたご神木を、身の引き締まる思いで引いた。皆で心を一つに、無事に納めることができよかった」と喜んだ。
【外宮に引き入れられるご神木=伊勢市の伊勢神宮外宮で】
奉曳車は、外宮北御門に引き入れられた後、先に運び込まれていた2本のご神木と共に参道を進み、久邇朝尊(くにあさたか)大宮司らに出迎えられた。ご神木は、神職がおはらいした後、五丈殿へと運ばれ安置された。
【神域に並ぶ三本のご神木=伊勢市の伊勢神宮外宮北御門で】
【「エンヤ」の掛け声で元気に綱を引く子どもたち=伊勢市で】
【奉曳車にご神木を載せ、ロープで固定する荷締め作業=伊勢市の度会橋付近で】

伊勢新聞 2025-06-11 [Edit / 編集]

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