> 青森県

不通の津軽線、自動車交通協議入りで合意 27年4月に運行開始へ

 2022年8月の豪雨災害で不通となったJR津軽線の蟹田―三厩間について、青森県や沿線の今別、外ケ浜の2町、JR東日本は10日、同区間を廃線とし、代替交通機関としてバスや乗り合いタクシーなどを含めた自動車交通への転換に向けた協議に入ることで正式に合意した。運行主体となるNPO法人を4者で設立し、27年4月の運行開始を目指す。
 津軽線の同区間は、今別、外ケ浜両町や県、JR東による存廃をめぐる協議が行われ、一部区間の鉄道復旧を断念し自動車交通に転換することで24年5月に合意。鉄路に代わる交通機関としてJR東は、地元自治体とともにNPO法人を設立し、自動車による地域交通を自治体と共同運営する案を提示していた。同区間では現在、JR東が乗り合いタクシーや代行バスを運行しているほか、両町の町営バスも走っている。
 合意書によると、新たな自動車交通の運行期間は現時点で「少なくとも18年」とし、JR東はこの間の運行などにかかる費用として33億円あまりを拠出し、NPO法人に社員2人を派遣。停留所の整備や案内表示板などの設置も担う。今別、外ケ浜両町も運行経費を負担する。現在、一部で重複している今別、外ケ浜両町の町営バス路線を統合するなどして一体で運行するという。
 この日は県庁で、自動車交通への協議入りに関する合意書の締結式が行われ、4者の代表が出席し、合意書に署名した。締結後、今別町の阿部義治町長は「鉄路の廃止に負けないまちづくりをしていきたい」、外ケ浜町の山崎結子町長は「住民のニーズや利便性向上を第一に、町として主体的に自動車交通への転換に取り組みたい」とそれぞれ語った。宮下宗一郎知事は「この(検討の)プロセスはこれからの時代の先を行くような取り組みだと思う」と述べた。
 JR東の大森健史・盛岡支社長は「自動車交通で便利になったと思っていただけるような地域交通をつくり上げられるように、地域のみなさまのご要望を伺いながら、真摯(しんし)に対応していきたい」と話した。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。
今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

青森:朝日新聞デジタル 2025-06-12 [Edit / 編集]

削除Pass(任意、英数字4~12文字) [Confirm/確認]
No. 削除PassかIPアドレスのどちらかが合致すれば削除出来ます
削除Pass(任意)