物価高対策や裏金問題… 東京都議選告示、参院選見据え各党訴え
東京都議選（定数127）が13日、告示された。物価や住宅費の高騰が重くのしかかるなか、直後の参院選を見据えながら各党が暮らしへの支援の拡充を訴える。現都政への評価や「政治とカネ」のあり方も論戦のテーマとなりそうだ。投開票日は22日。
各党の党首らはさっそく、各地で声をあげた。
自民党・石破茂総裁 自民党総裁の石破茂首相は官邸で記者団の取材に応じ、「42人の候補者を立てるが、全員当選をめざし、党本部としても都連と連携しながら全力をあげて臨みたい」と意気込みを語った。
自民は裏金問題による非公認候補と合わせて都議会で第1党の立場にあり、「それぞれの選挙区にいろんな事情があり、課題がある。地域の課題にきちんと取り組み、その解決をめざしていく。それを実現する力があるのが自民党だ。いい成果があがるように努めたい」と語った。
都民ファーストの会・森村隆行代表 都民ファーストの会は、前回の都議選で失った第1党の座の奪還を目標に掲げている。森村隆行代表は豊島区で第一声を上げ、「都民ファーストはまだ誕生して10年に満たないベンチャー政党。その中でも、子育て支援策、物価高対策を実現させてきた」と実績を強調した。
小池百合子知事と「車の両輪」のように都政を前に進めてきたとして、「国際都市・東京をもっとよりよくしていくために、責任与党である我々を応援してほしい」と訴えた。
公明党・斉藤鉄夫代表 公明党は前回まで6回連続で23人を擁立し、全員当選を続けてきた。しかし今回は、昨年の衆院選で議席を減らすなどした情勢をふまえ、公認を22人に絞って全員当選をめざす。裏金問題を受け、自民候補の推薦も見送った。
斉藤鉄夫代表は調布市で街頭に立ち、マイクを握ると、聴衆を前に「まずは東京都で政策を実現し、全国で実現したら、国が責任を持ってその政策を実行する。物価高対策、国と都が連携して、国民の生活を守っていく」と呼びかけた。
共産党・田村智子委員長 共産党の田村智子委員長は新宿区で演説し、都議会では19議席を持つことを強調したうえで、「国会の議席に（換算）すると100議席以上だ」とアピールし、「19議席を必ず守り、暮らしを守る確かな仕事をもっとやらせてほしい」と支持を求めた。
都が水道基本料金を4カ月無償化することにもふれ、「共産党都議団が20年間、（水道料金自体の）引き下げを求めてきた。4カ月なんてケチくさいこと言わないで、恒久的に引き下げを実現しましょう」と語った。
立憲民主党・野田佳彦代表 立憲民主党は、小池知事を支える自民、都民ファースト、公明の3党の過半数割れを目標に掲げる。野田佳彦代表は中野区で街頭に立ち、都がお台場に建設する世界最大級の噴水や都庁のプロジェクションマッピングに言及。「財政力が豊かな分、無駄遣いも往々にしてやりがちだ」と小池都政を批判した。
都議選の争点は「何といっても物価高が一番重要なテーマ」とし、「東京ももっと物価高対策、都民の暮らしに根ざした政策を打ち出していくべきだ」と話した。
日本維新の会・前原誠司共同代表 日本維新の会は、個人都民税を50％減税することによって「都民の財布を取り戻す」と訴える。前原誠司共同代表は大田区で街頭に立ち、「可処分所得を増やす。減税し、社会保険料を下げる。この二つを徹底してやる」と述べた。
東京・生活者ネットワーク・岩永康代共同代表 東京・生活者ネットワークは、空き家活用や家賃補助による住宅施策などを掲げており、岩永康代共同代表は「開発を優先し、高層ビルや大型マンションなどの大規模施設をつくり続ける都市のあり方を問う」と主張している。
国民民主党・玉木雄一郎代表 国民民主党の玉木雄一郎代表は八丈島を訪れ、「都民の手取りを増やすことを具体的に進めていきたい」と訴えた。
れいわ新選組・櫛渕万里共同代表 れいわ新選組の櫛渕万里共同代表は杉並区で「所得の差が開く東京で、積極財政で手取りを増やす」と話した。
参政党・神谷宗幣代表 参政党の神谷宗幣代表は世田谷区で「個人都民税を半分にし、都民の暮らしを守る。教育にも力を入れる」と訴えた。
日本保守党・有本香事務総長 日本保守党の有本香事務総長は杉並区で街頭に立ち、「都民税を減税して、使えるお金を増やす」と話した。
社民党・福島瑞穂党首 社民党の福島瑞穂党首は中央区で「都議選で勝って都政を元気に。ミサイルよりコメ、生活、命を」と呼びかけた。
再生の道・石丸伸二代表 千代田区で街頭に立った再生の道の石丸伸二代表は「都議会が機能していない」と、議会変革の必要性を訴えた。
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東京：朝日新聞デジタル 2025-06-13 [
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