谷田恵一のシネマイグネ 台湾の鉄道映画、失われていく原風景描く
ゆっくり汽車に乗って旅がしたい。飛行機や新幹線だとなんとなく気分が出ない。
若い時は、旅は汽車だった。大学に入学して青森を離れる時も夜行列車。たくさんの友人や家族が青森駅に見送りにきた。故郷を離れ花の東京に行くという、なんとも言えない寂しさと期待があった(すぐ5月の連休に帰ってきたけど)。
大学時代は、もっぱら青森―東京は寝台列車で寝台が満員で切符が取れない時は急行「津軽」で青森から上野まで行ったこともある。それはそれで大変な体験で、まずは座席が硬い2人がけの椅子で向かいあっている。そこに出稼ぎの一団と相席だったりしたらさぁ大変。まずは新聞紙を敷き、靴を脱いで酒盛りが始まる。「オメ学生だが、んだがんだが飲め飲め」ってな感じで長い長い旅が始まる。もちろんいつまでも飲んでいるわけじゃなくて、そこから寝るわけだが、硬い椅子に知らないオヤジたちの隣でなかなか眠れない。車窓を眺めながら、ただただ時が経つのを待つ。そのうち、夜が明けてくる。ただ、急行津軽はまだまだ走る。なかなか着かない急行列車。
そんな思い出が他にもある…
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青森:朝日新聞デジタル 2025-06-13 [
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