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土砂流れた伊吹山に緑戻そう、山好きが土のう作る ドローンで種まき

 滋賀と岐阜にまたがる伊吹山(1377メートル)の緑を取り戻そうと、山腹で流出した土砂を戻す土囊(どのう)づくりのボランティア活動が12日にあった。滋賀県米原市が募り、山好きの20人が参加した。市はドローンを使った種まきも試した。
伊吹山で流出した土を袋に詰めるボランティア。奥は山頂=2025年6月12日午前9時52分、伊吹山3合目、小西良昭撮影 伊吹山は温暖化などの影響で鹿が急増。植物群が食べ尽くされて、山肌のあちこちが地面むき出しの裸地になっている。
植生が失われ、山肌がはげた伊吹山。6合目から望む=2025年6月12日午前11時37分、小西良昭撮影 2023年7月の豪雨で南側斜面の登山道が崩れ、今も不通だ。昨年7月にも集落への土砂崩れ被害が3度起きた。
雨水を保てず、川のように深く削れた伊吹山の斜面=2025年6月12日午前10時51分、小西良昭撮影 流出した土砂が3合目にたまっている。この日は関西や岐阜、愛知からのボランティアが2人1組で、その土をヤシ製の袋500個に詰めた。
 鹿が好まないススキやレモンエゴマの苗を交ぜ、土囊から生えた秋にドローンで7~8合目へ上げ、植生復元に使う。
伊吹山で流出した土を袋に詰めるボランティア=2025年6月12日午前10時28分、伊吹山3合目、小西良昭撮影ボランティアは「また登山できるように」 岐阜県垂井町出身で大阪府吹田市の森太幹さん(32)と名古屋市昭和区の橋本優一さん(32)は大学の同級生で、仕事の有休をとって参加。「何度も登ったので恩返しの気持ちです。また登山できるように」と話した。米原市の会社員宮本聡子さん(40)も「日本百名山の一つだが、山肌が(はげて)真っ白だ。少しでも草木が生えたら」と語った。
流出した土を詰めた袋。鹿が好まないススキやレモンエゴマの苗を袋に交ぜて、秋に7~8合目に戻す=2025年6月12日午前10時36分、伊吹山3合目、小西良昭撮影 6合目では、ドローンで化成肥料とススキ、レモンエゴマの種をまいた。市と連携協定を結ぶ滋賀特機(大津市)が協力した。
植生が失われた山腹に肥料と種をまくドローン=2025年6月12日午前11時26分、伊吹山6合目、小西良昭撮影 米原市の担当者は「どんな種まきがいいか、試している。発芽の状況を数週間後に確かめる。山頂付近でも上空から種をまけるか、検討したい」と述べた。
3合目から望む伊吹山=2025年6月12日午前9時31分、小西良昭撮影
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滋賀:朝日新聞デジタル 2025-06-13 [Edit / 編集]

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