第2回コロナ禍で収入失った元コンサル会社員 借金しか頼れなかった理由
失業、病気、離婚……。思わぬアクシデントで収入も蓄えも失ったとき、何を頼りますか?
大阪市の女性(64)は20年以上、小さな経営コンサルティング会社に勤めてきた。
50代後半、自分のキャリアを生かして転職しようと考えていた。年収は400万円台。預金は500万円以上あった。
生活保護が生かされない日本 研究者があげる「三つの要因」愛犬の病気で預金減る 当時、独身のこの女性にとってパートナーがわりの存在だった小型犬が病気がちに。愛犬は2018年に命を落とすまで手術や集中治療を何度も受けた。
ペットには公的な健康保険制度がなく、医療費は高額となる。預金は取り崩し、数十万円にまで減った。「目の前で苦しんでいるのに見殺しにできなかった」
そんな状況でも「すぐに転職先はみつかるだろう」と退職した。
女性が生活に行き詰まったコロナ禍。緊急事態宣言が発出され、JR大阪駅周辺は人の姿がまばらになった=2020年4月8日、大阪市北区、金居達朗撮影 ところが就職活動に取りかかろうとした20年初頭、コロナ禍が直撃した。4月には国の緊急事態宣言が発出され、就職活動が進まなくなった。
増え続けた借金 無収入となり、蓄えも底をついた。生活苦のなか、頼ったのは借金だった。
新型コロナウイルスの感染が広がった20年以降、女性は4回にわたって国の「特例貸付」制度を利用して計100万円以上を借り入れた。
退職以前から高額なペットの医療費がかさむと、クレジットカードの返済額が毎月一定になる「リボルビング払い」(リボ払い)を使った。退職後はさらに繰り返すようになり、残金のうち延滞金は百数十万円に達した。
売れそうな家具や洋服などは売り払った。部屋の照明はほとんど落とし、冷暖房は控え、1日1食で過ごした。
「必ずお返しします」でも… 退職から5度目となった24…
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大阪:朝日新聞デジタル 2025-06-14 [
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