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グロー問題、滋賀県が対応を反省 「原告や県民への配慮を欠いた」

 社会福祉法人「グロー」(滋賀県近江八幡市)の北岡賢剛・元理事長が元職員の女性ら2人に性暴力を加えたと認定した東京地裁判決が確定したことを受け、自らの対応を検証していた県は13日、「原告や県民に対する配慮を欠いていた」などと結論づけたと発表した。
 県は裁判中の2024年4月、グローを県内2施設の指定管理者に再指定し、委託が続いている。また22年11月、県の女性活躍推進企業にグローを再認証したが、24年12月に認証を取り消した。グローの性暴力・ハラスメント事案への対応について、県としての反省点や今後取り組むべきことへの意見・助言を弁護士ら有識者5人に求めていた。
 県によると、有識者からは、事案を検証する第三者委員会の設置などをグローに助言すべきではなかったかとの意見があった。指定管理については▽法人の適格性を判決の内容も踏まえ再検討すべきだ▽既存の制度や基準に照らして、適格と考えること自体、県民感情に照らして理解しがたい――といった指摘があったという。
 これらを受け、県は反省点として、福祉業界での実力者が長年代表を務める法人の下においてこそ、ハラスメントや不法行為が起こりうるという意識が不足していた▽県としてもグローに事案の調査・検証を求めるなど、性暴力・ハラスメントを許さない毅然(きぜん)とした姿勢を明確に示せていなかった▽指定管理について、判決を受け速やかにグローの信頼回復の取り組みについても確認すべきだった――などの見解を明らかにした。
 県はグローに対して、第三者による検証や役員体制の見直しなどの取り組みを確実に実施するよう、12日に文書で指導した。今後、指定管理先として適切であるか速やかに検討し、不適切な場合は指定管理の取り消しも含め対応するという。
 三日月大造知事は「原告の方への気持ちや県民の受け止めに対する配慮を欠いていたことを大変重く受け止めている」とのコメントを出した。

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滋賀:朝日新聞デジタル 2025-06-14 [Edit / 編集]

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