「あおばなフロート」できました 立命大生考案 草津のホテルで販売
滋賀県草津市で学ぶ立命館大学の学生たちが、市の花アオバナを使ったフロートを考案した。色は涼しげなコバルトブルー。夏にぴったりの飲み物は商品化され、市内のホテルで8月末まで販売される。
「ひとときの幸せ あおばなフロート~立命館大学×草津ブランド~」という名前で、9日にお披露目会があった。
アオバナの青い花びらから抽出した液に、スダチとメープルシロップを調合した特製のシロップ「すだちメープル」を使った。見た目の涼しさはもちろん、さわやかな香りと華やかな甘みが楽しめる。
考案したのは、立命館大びわこ・くさつキャンパスの授業で「次世代の草津ブランド商品開発」をテーマに選んだ4人の学生たちだ。
香りはレモン、ミント、ライム、スダチの4種類、甘みは黒蜜、メープルシロップ、ホワイトチョコなど5種類を候補にして組み合わせを変え、試作を重ねた。最終的にすだちメープルが完成。今年1月に草津市役所や大学内で活動成果を報告し、フロートで商品化することを提案した。
それを知ったホテルボストンプラザ草津=西大路町=が協力し、実現した。1階のレストランで、あおばなフロート(税込み900円)を販売。1日10食限定のプレミアランチコース(同3500円)でも、青色のシロップ「すだちメープル」を炭酸で割ったノンアルコール食前酒を提供する。いずれも8月31日までの期間限定だ。
学生たちのリーダーの斉藤亜美さん(20)=食マネジメント学部3回生=は「本当はソフトクリームを考案するつもりだったが、機械を通すとピンクに変色するため諦めた」と〝秘話〟を明かしつつ、「アオバナを知らない人に、この花の魅力が伝わればうれしい」と話した。
アオバナはツユクサの変種で、6月下旬から8月下旬にコバルトブルーの花を咲かせる。
市によると、花から搾った液は友禅染や絞染(しぼりぞめ)の下絵を描く絵の具として使われた。江戸時代から主に草津で栽培され、1918(大正7)年ごろの栽培面積は約8ヘクタール、約500戸の農家が取り組んでいた。だが化学染料の登場や着物を着る人の減少により、現在は約0・14ヘクタール、農家も3戸になった。
市は1981年に「市の花」に指定。2016年には「草津あおばな」という名称で市のブランドに認証し、普及に力を入れる。「最近になってお茶やクッキーなど食品に使われるようになってきた」と担当者は話す。
お披露目会には、アオバナを使った製品の開発などを担う市内のNPO法人「青花製彩」=下笠町=の代表理事、峯松孝好さん(31)も参加。「絶滅の可能性もあっただけに、新たな活用方法を示してアオバナを救ってくれた」と4人の労をねぎらった。
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滋賀:朝日新聞デジタル 2025-06-17 [
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