4コマ漫画担当は元警察官の妻 「面白い」と人気の駐在所だより
横浜市金沢区の釜利谷西地区の住民に配られる「駐在所だより」が人気を集めている。駐在夫婦の手づくりで、コミカルな4コマ漫画が目を引く。季節や社会の関心に合わせたテーマで、防犯・防災意識を高めている。
発行しているのは、金沢署釜利谷西駐在所の柴山真也警部補(43)と元警察官の妻、美乃(よしの)さん。前任地の平塚署神田駐在所に赴任した2013年4月から毎月1回、犯罪の最新の手口や被害に遭わないための方法などをA4サイズ1枚にまとめ、回覧板を通じて住民に届けている。
4コマ漫画の担当は、幼い頃に漫画家を目指していたという美乃さん。手書きのイラストだけで仕上げていた紙面にひと工夫したいと、同年8月から掲載を始めた。起承転結をつけ、落ちで笑ってもらえるよう考えている。
毎号、内容はタイムリーだ。水難事故が増える7月は、家族でバーベキューをする男性が飲酒後に川に飛び込み、消防に救助される話にした。関東地方で強盗事件が相次いだ24年11月には、警察官を装う不審な人物が自宅を訪ねてくる場合があると注意を促し、柴山警部補の顔のイラストをコマいっぱいに描いた。
駐在所近くに住む平石典子さん(54)は漫画を楽しみにしているという。「玉突き事故がテーマの時は、あるあるな事故だから気をつけようと思った。釜利谷西地区でしか発行されていないのがもったいないくらい面白い」と話す。
同地区は、約2千世帯が暮らす。住民の高齢化が顕著で、特殊詐欺の被害も出ている。金沢署によると、同地区の今年1月~6月半ばの被害件数は3件で、昨年1年間の2件をすでに上回っている。被害者はいずれも70代以上の女性だった。柴山警部補は「住民のみなさんが安心して暮らせるよう願いながら、たよりを作っている」。美乃さんは「防犯情報は見逃してほしくない。漫画を通し、被害に遭わないようにしてほしい」と話している。
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神奈川:朝日新聞デジタル 2025-06-24 [
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