元日本テレビ番組広報で危機管理の専門家が「TOKIO国分太一問題会見」を読み解く
TOKIOの国分太一(50)が重大なコンプライアンス違反による番組降板について、日本テレビの福田博之社長が会見に応じたのは20日のこと。詳細を語らずの消化不良会見とも揶揄されたが、日本テレビ出身の危機管理専門家、片岡英彦氏に聞いた。
──日本テレビ時代は番組宣伝を担当、現キャリアの原点になっています。
「多い時は、深夜、特番含め20番組くらい担当しました。メディアリレーションと危機管理は表裏一体で、PRを中心に教えていますが、1998年の山一証券、2000年の雪印集団食中毒事件で『私は寝てないんだ』と社長が逆ギレを起こしたあたりから、企業トップの危機管理が取りざたされるようになりましたね」
──率直に日テレの対応はどうだったのでしょうか。
「リリース対応もありだと思いました。現段階の内容では、日テレは第三者的立場で、事件に社員が関わっていない。話す立場にないという点から、会見をしないという選択もあったわけです」
──ではなぜ会見を行ったのでしょうか。
「社会的責任として、番組に対するお詫びで、『ザ!鉄腕!DASH!!』の空気(世界観)を守りたかったのだと思います。根本的な話は“一出演者の降板”ですから、コンプライアンス違反の内容についての謝罪は必要ないのです」
──社長1人の会見は詳細語らずで消化不良だという意見も多かったが。
「詳細については、自社の社員が加害、被害ともに関わっていないので言及できない。話す立場にないのに断言するわけにもいかないし、今後どうするかという指針も出せない。トップが一元で説明責任を負い、逃げ隠れしないというのはガバナンス的には正解。ですが、僕も記者時代があるので、詳細を話さないんじゃニュースにならないじゃないか、という記者側の気持ちもわかる。そこを報道陣が突いてくるであろうことをどのくらい想定していたのかは疑問です」
日刊ゲンダイ 2025-06-26 [
Edit / 編集]