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慰霊塔内部の納骨堂を松江市が調査 文献にあった遺骨は確認できず

 かつて旧陸軍墓地があった松江市立緑山公園(松江市西津田9丁目)で27日、戦没者の遺骨調査があった。戦後80年を迎えるにあたり、島根県遺族連合会と市遺族連合会が、遺骨が安置されているという慰霊塔の納骨堂内を確認するよう要望していた。この日、市の職員が納骨堂内の調査に入ったが、遺骨や名簿のようなものは見つからなかった。
 市公園緑地課によると、公園の一角にある慰霊塔は戦後、進駐軍が陸軍墓地の撤去を命じたことを受け、1948年に建立された。その際、陸軍墓地にあった墓碑411柱の遺骨と、納骨堂に安置されていた約1千体の遺骨を、慰霊塔内に設けた納骨堂に納めたという。当時のことを記した文献には、3千体の遺骨が安置されているという記述もあったという。
 納骨堂は慰霊塔の土台部分にあり、裏側の石積みされた壁を取り外して職員が内部を確認した。だがそこには、低い天井の空間に土が盛られているだけで、遺骨や名簿はなかった。土を取りのぞいて引き続き調査するかどうかについては「関係者の声を聞いて対応を決めたい」(市都市整備部)としている。
 市遺族連合会の角田一夫会長(81)は「どのような方々が埋葬されているのか分からなかったが、(今後も)慰霊を申し上げていかなければいけない」と話した。戦後80年が経ち、各地の慰霊碑の存在が忘れられつつあるとして、「広く市民に知ってもらいたい」と語った。

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島根:朝日新聞デジタル 2025-06-28 [Edit / 編集]

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