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美術館の岩塊見ていたら…骨化石に気づいた 魚竜と確認、学会で発表

 福井県立恐竜博物館などは、岡山県高梁市の約2億2千万年前の地層で見つかり、高梁市成羽美術館で展示されていた岩塊の中に、魚竜類の骨化石があるのをX線CT(断層撮影)画像で確認したと29日、日本古生物学会で発表した。魚竜類は恐竜時代の「海竜」といわれ、国内では宮城県南三陸町で骨化石が見つかっているが、西日本では初めてという。
 岩塊は縦34・5センチ、横59センチ、厚さ26センチで、30年以上前に高梁市にある成羽層群地頭層(約2億2千万年前の後期三畳紀)で採集された。成羽地域は約110種もの植物化石群の発掘で知られるが、この岩塊は表面に二枚貝類モノチスの化石が複数あるため、同美術館で植物化石とともに常設展示されていた。
中高生向け解説のため訪れた 2023年7月、中高生向けの展示解説をするため同美術館を訪れた岡山理科大学の加藤敬史教授(当時は倉敷芸術科学大学)が、岩塊の側面に脊椎(せきつい)動物の骨とみられる化石が見えるのに気づいた。一緒に展示解説していた恐竜博物館の湯川弘一研究員が、美術館の許可を得て福井に運び、福井大学医学部のX線CT装置で内部を分析。肩甲骨と椎体、肋骨(ろっこつ)、神経弓など魚竜類の特徴がある計21点の骨化石を確認した。
 岩塊は非常に硬く、クリーニングで化石を削り出すのには膨大な時間がかかるが、X線で断層撮影することによって、破壊せずに短時間で精細な分析ができたという。湯川研究員は「デジタル古生物学における重要な成果」と話した。

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岡山:朝日新聞デジタル 2025-06-30 [Edit / 編集]

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