> 三重県

県内路線価、2年連続で上昇 最高価格は「ふれあいモール通り」、令和7年分

【県内の路線価で15年連続トップの「ふれあいモール通り」=四日市市安島1丁目で】

国税庁は1日、令和7年分の路線価を公表した。三重県内標準宅地の平均変動率は、32年ぶりに上昇した前年に続いて2年連続で上昇。評価に当たった不動産鑑定士は「物価高騰により、商業地への投資には慎重な姿勢が出ている」と話す。
県内標準宅地の平均変動率はプラス0・4%となり、前年から0・3ポイントの拡大。東海4県では三重、愛知(プラス2・8%)、静岡(同0・2%)が上昇し、岐阜はマイナス0・1%だった。
税務署管内ごとの最高路線価は四日市、伊勢、桑名で上昇。津、鈴鹿、松阪、上野が横ばい、尾鷲が下落。前年は記録が残る平成25年以降で初めて、県内の最高路線価に下落がなかった。
最高価格は四日市市安島一丁目の「ふれあいモール通り」で、15年連続。1平方メートル当たりの価格は前年比5・7%(2万円)増の37万円。3年連続で上昇し、上昇率も県内トップだった。
津市羽所町の「津停車場線通り」は1平方メートル当たり19万5千円で、前年と同額。前年は4年ぶりに上昇した。県庁所在地の最高路線価の全国順位としても、前年と同じ40位となっている。
税務署管内ごとの最高路線価で最も低かったのは、尾鷲市古戸町の「国道42号通り」で1000円減の4万5千円。前年は横ばいだった。名古屋国税局管内(48署)では14年連続で最も低い。
評価に当たった片岡浩司不動産鑑定士は「新型コロナの五類移行で客足が回復した昨年に比べて改善の幅が小さい。物価高騰で商業地への投資には慎重な姿勢が出ている」と指摘する。
北勢は「四日市や桑名はマンションや商業ビルへの需要が非常に高い」と説明。「伊勢の観光地はブランド力が高く、集客や収益性が安定している。今後も同様の傾向が続くだろう」と話す。
一方、尾鷲市については「人口減や高齢化によって新たな店舗需要や設備投資がなく、高速道路の開通による交通量の減少も影響している。下げ止まりの要素が見当たらない」としている。
路線価は主要道路に面する土地の評価額。相続税などの申告で目安となる。1月1日時点の評価額を算定し、ホームページなどで公開している。県内では5207地点が調査対象となった。

伊勢新聞 2025-07-02 [Edit / 編集]

削除Pass(任意、英数字4~12文字) [Confirm/確認]
No. 削除PassかIPアドレスのどちらかが合致すれば削除出来ます
削除Pass(任意)