ローマ教皇から感謝された1冊 挑み続けて55年「かまくら春秋社」
バチカンのカトリック教会総本山サン・ピエトロ寺院の応接室。昨年11月、フランシスコ・ローマ教皇(当時)は車いすをおりてゆっくり歩いて席についた。1冊の本を手渡され、「大変いい仕事をされて、ありがとう」と語りかけ、手を差し出した。
世界に14億人の信者を持つ教会のトップと握手を交わしたのは、出版社「かまくら春秋社」代表の伊藤玄二郎さん(81)ら。教皇直筆のメッセージを得て各地を調査し、5年かけて完成させた「図説 天正遣欧使節」を贈った。
1582(天正10)年、少年4人が長崎からローマに出発し、帰国するまでの8年半の軌跡をまとめた1冊。イエズス会司祭の高祖敏明さんが監修し、伊藤さんが編集した。「出版人としての仕事を認めてもらえたのかな」と伊藤さん。
「京都、奈良、鎌倉は海外でも知っている人が多い。鎌倉をベースに世界に向けて文化を発信したい」と、出版に半生を捧げてきた。
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神奈川:朝日新聞デジタル 2025-07-04 [
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