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富山選挙区に立候補した5氏はどんな人 横顔を紹介

 参院選富山選挙区(改選数1)には現職と新顔の計5人が立候補している。各氏の政治への思いや人となりを紹介する。
参院選挙区候補者田保智世(たぼともよ) 59 参政新 広告プロデューサー〈元〉広告制作会社員▽金沢美術工芸大
庭田幸恵(にわたゆきえ) 57 国民新 訪日客応接会社長〈元〉富山テレビアナウンサー・日航客室乗務員▽富山大
佐藤明(さとうあきら) 50 諸新 NHK党支部長・ITエンジニア▽南野高 堂故茂(どうこしげる) 72 自現(2)〈公〉 〈元〉国交副大臣・氷見市長・県議・衆院議員秘書・トナミ運輸社員▽慶大
坂本洋史(さかもとひろし) 54 共新 党県書記長〈元〉党地区委員長・食品加工会社員▽金沢経大
※届け出順。年齢は投開票日現在。カッコ内数字は当選回数。〈 〉内政党は推薦・支持。▽以下は出身校。経歴などは原則として候補者の回答に基づいて掲載しています
田保智世氏 広告制作会社員として働いていた東京から、故郷の富山に戻ってきたのは昨年末。理由は「食料事情が心配すぎた」からだ。各地のスーパーの棚から米が消え、「令和の米騒動」といわれる中、日本の食料自給率の低さに注目が集まった。頑張っている農家を手伝えないか、と考えた。
 参政党との出会いは2020年ごろ。自給率向上や日本ファーストといった政策に共感し、入党した。国政への挑戦は「仲間が推してくださるなら、一つ恥をかいてみよう」と思い切ってのことだという。
 射水市出身。金沢の美大に進み、広告業界へ。プロデューサーとして顧客の要望や予算を聞き、ライターやカメラマンらと広告をつくりあげた。納期の厳守やチーム内の温度差の調整に、時に頭を下げながら、力を尽くしてきたと自負する。
 高齢の両親と一緒に、おいしい米、みそ汁、魚を楽しむ食事が一息つける時間だ。得意料理は卵焼き。「お砂糖とお塩とバターを使います。私のよりおいしいのを食べたことはありません。なんちゃって」
庭田幸恵氏 日本航空の客室乗務員やアナウンサー。経歴は華やかにみえるが「学生時代は軽井沢や志賀高原のペンションで住み込みのアルバイトをして生活費を工面した」という。
 富山県上市町出身。県などが設けた起業実践塾を1期生として受講、2006年、訪日外国客向けの通訳や案内などをする会社を起業した。約50人のスタッフの多くは非正規雇用。扶養から外れる「年収103万円の壁」に近づくと仕事を控える現実を身をもって知っている。
 国民民主党の「手取りを増やす」という政策に共鳴した。フライトや旅行で訪ねた国々に比べ、日本に元気がないとも感じた。「国を変えたい」と昨年、党の公募に応じた。
 初めて挑む選挙が国政。「夏の陣」にたとえる。「趣味が仕事のようなもの」と語り、政治の道を志してからはほとんど休みはないという。好きな旅行やお酒もお預け。早朝、さっと本を読み、風呂につかって癒やしを得ている。
 大切にしている言葉は「百折不撓(ふとう)」。幾度失敗しても志を曲げない強さを掲げる。
佐藤明氏 埼玉県在住で富山にゆかりはない。6月末、政治団体・NHK党が候補者を募る動画を見て「協力できることがあれば」と応募した。有権者として、選びたい候補者がいない選挙を「罰ゲーム」のようだと感じていた。「富山にいる党の支持者」の受け皿をめざす。
 ITエンジニアとして様々な企業で働き、現在の勤務先ではシステム運用のコンサルタント。自身の当選ではなく、国政政党の要件を満たす得票数への貢献を目指し、SNSでの発信に努めるという。
堂故茂氏 能登半島地震が起きた昨年の元日、富山県氷見市の自宅で「死の恐怖を覚えるほどの」揺れを経験した。国土交通副大臣として対応にあたり、県内でも深刻な液状化被害の支援に携わったことが、印象に残る仕事だという。
 祖父は氷見市長、父は同市議長を務めた。自身は綿貫民輔衆院議員(当時)の秘書から県議に。政治を志した直接のきっかけは、氷見青年会議所に入ったことだ。街づくりや、能登空港開設を目指す活動に打ち込んだ。
 性格は、穏やかで気を使い過ぎる一方「きつい面もある」。氷見市長在任中には、医療従事者らの猛反発に遭いながら、経営難に陥った市民病院の公設民営化を進めた。「信念に従って一つ一つ解決した。地域医療を守る思いが根底にあった」
 氷見の伝統漁法に着目して「世界定置網サミット」を開き、国の「観光カリスマ」に選ばれたのも市長時代。最近は各地でオーバーツーリズムが問題化している。「歓迎されない観光は長続きしない。住民が穏やかに暮らし、訪れる人と折り合うのが理想」と説く。
坂本洋史氏 9回目の国政選挙。最初の挑戦は24年前、小泉政権下での参院選だった。「丁寧な議論を交わす政治から、劇場型で、選択を国民に強いる政治に変わる転換点だった」と振り返る。それからの四半世紀足らずで、「大資本や高額所得者への富の偏在が強まった」と感じる。3月に立候補を表明してからは、どのような消費減税案を希望するか、シール式のアンケートなどを実施してきた。
 共産党員の両親のもとで育ち、18歳の時に入党した。米ソの冷戦が激化する中、核兵器廃絶運動に取り組む姿勢に共感したという。
 昨年元日の能登半島地震では、発災直後から被災地に段ボールハウスを届ける仲介役を担い、党の支援拠点に集まる物資を持って、人々の現状に耳を傾けてきたという。
 SNSには料理中の画像も投稿する。「冷蔵庫の中のもので名前のない料理を作ります」。カラオケの十八番は尾崎豊。自由を求める純粋な感性に共感したという。多忙の中、趣味の渓流釣りにはなかなか行けていない。「参院選が終わったら行こうと思っています」

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富山:朝日新聞デジタル 2025-07-05 [Edit / 編集]

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