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<参院選みえ>スタッフ倒れ救急搬送も 猛暑の長期戦、陣営・選管は熱中症対策

【政党スタッフの救急搬送を見守る街頭演説の聴衆=四日市市内で】

参院選が公示された3日以降、三重県内では猛暑日が相次いでいる。演説中に倒れて救急搬送された政党スタッフも。三重選挙区(改選数1)では、各陣営が休憩時間を十分に確保するなどして「猛暑の長期戦」に臨んでいる。一方、有権者らに配慮してエアコンがある施設に投票所を移した選管もある。
「誰か、水を」。5日午後5時ごろ、四日市市内の繁華街。ある政党の街頭演説が催されているさなか、男性らの大声が響いた。スタッフの高齢男性がアスファルトの地面に倒れ込んでいた。
意識はあるが、立ち上がれそうにない。同僚らに付近の店舗まで担がれた。しばらくして救急車が近づくと、演説は一時中断。担架で運ばれる男性を、数百人の聴衆が不安そうに見守った。
この日、市内は最高気温が35・1度の猛暑日だった。男性を乗せた救急車が出発すると、別のスタッフがマイクを手に「命に関わるので、皆さんも無理をせずに」と聴衆に呼びかけた。
「17日間の長期戦。テンションが上がると体調の異変に気付かない可能性もある」と、三重選挙区(改選数1)の陣営幹部。候補者やスタッフに「無理せんように」との声かけを徹底する。
候補者やスタッフらの体調管理も余念が無い。演説の1時間ほど前には会場に入り、休憩時間を十分に確保するよう努めている。陣営幹部は「選挙運動も働き方改革が大事だ」と語る。
投票所の対策も。松阪市選管は投票所のうちエアコンがない体育館12カ所を、近くにある放課後児童クラブや学校の空き教室、図書室などに変更。有権者や立会人の体調を考慮した。
昨年から「猛暑の参院選」を想定して対応を検討してきた。「会場は手狭になるが、さすがにこの暑さでは」と、選管の担当者。広報紙などを通じて有権者に会場の変更を周知している。
津市選管の職員らは今回から、エアコンがある環境で開票作業ができるようになった。開票所となる安濃中央総合公園内体育館(同市安濃町)に昨年度、空調が整備されたためだ。
この会場では、約400人が開票作業に従事する予定。「エアコンがあるのでかなり安心」と、選管の担当者。投票用紙が汗でぬれると集計の機械が不調になるため、作業の効率化にも期待する。

伊勢新聞 2025-07-10 [Edit / 編集]

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