> 三重県

戦争の惨禍や教訓伝える 尾鷲で企画展、軍服や軍事郵便展示 三重

【戦時下の軍服や軍事郵便などが並ぶ会場=尾鷲市向井の県立熊野古道センターで】

【尾鷲】戦後80年に合わせ、戦争体験を学ぶ企画展「終戦80年 追憶の遺物」が、三重県尾鷲市向井の県立熊野古道センターで開かれている。東紀州ゆかりの人の寄贈品など約60点を並べ、戦争の惨禍や教訓を伝えている。11月9日まで。
戦渦の記憶を次世代に継承しようと、同センター事業課の小島礼子さんが企画。東紀州では、米軍B29爆撃機や連合国軍艦載機グラマンから空襲被害などを受けた。旧日本海軍「熊野灘部隊」の軍人らを含め、多くの犠牲者を生んだという。
展示室には、身分を示す「軍人手帳」や進軍ラッパ、将校軍服などを展示。紀北町の三野瀬駅旧駅舎にめり込んだ機銃掃射の銃弾跡のほか、検閲済みの印が押されたレイテ島(フィリピン)からの軍事郵便、除隊を記念した軍杯なども並ぶ。
向井国民学校(現在の小学校)に通学した当時4年生の昭和16年度通知表も初公開。事項欄には〈陛下の臣として、いつでも死ぬことの出来る人間になる。これが一番です〉などと記され、戦争一色に染まった当時の価値観がうかがえる。
小島さんは「終戦から80年の節目を迎え、戦争を実体験として語り継ぐ人が少なくなった。遺物を目に焼き付け、その奥にあるメッセージを読み解いてほしい」と話している。問い合わせは同センター=電話0597(25)2666=へ。

伊勢新聞 2025-07-10 [Edit / 編集]

削除Pass(任意、英数字4~12文字) [Confirm/確認]
No. 削除PassかIPアドレスのどちらかが合致すれば削除出来ます
削除Pass(任意)