> 島根県

「心強くし、絆を深めてくれた」野球に感謝 高校野球島根大会が開幕

 第107回全国高校野球選手権島根大会(島根県高校野球連盟、県教育委員会、朝日新聞社主催)が10日、松江市営野球場で開幕した。開会式では、出場39校37チームの選手たちが夏空の下、元気にグラウンドを行進した。益田勢同士の対決となった開幕試合は、益田翔陽が明誠を下した。
 午前11時に始まった開会式では、松江商業高校吹奏楽部の演奏に合わせ、選手たちがはつらつとした表情で入場行進。スタンドに詰めかけた保護者らが拍手で迎えた。
 県高校野球連盟の水津則義会長はあいさつで、今大会のキャッチフレーズ「心をひとつに夢の先まで!」を紹介。「甲子園という夢舞台をめざして今日まで練習を積み重ねてきたと思います。チーム一丸、心一つに精いっぱい自分たちの力を出し切ってください。精いっぱいやり抜いた先に、これからのみなさんの新しい人生が切り開かれていくと私は信じています」と呼びかけた。
 県教育委員会の野津建二教育長は、昨夏の甲子園で、大社が8強まで勝ち上がったことに触れ、「ここ島根の地で、共にしのぎを削った仲間が全国の舞台であのようなすばらしい活躍を見せてくれたことで、選手、指導者のみなさまも確かな希望と大きな勇気が持てたと思う」と述べた。そして「ここにお集まりのチーム、選手、指導者の一人ひとりにもその活躍のチャンスがある」とエールを送った。
選手宣誓は松江商・三賀森主将 「野球を始め、白球を追う楽しさの中に、いつしか甲子園という夢が宿りました」
 選手宣誓に立った松江商の三賀森慶大(みかもりけいた)主将(3年)は、チームの目標「全国制覇」を念頭に言葉を紡いだ。
 「夢は見るものではなく、かなえるもの。勝者は1校だけ」。そして「けれども」と続けた。
 「勝敗を超えて仲間とともにした日々は、これからの人生でかけがえのない財産になると信じています」
 松江商は昨秋、今春と続けて公式戦で同じ相手に負け、悔しさから仲間と何度も話し合い、模索し、今大会を迎えた。「悔しさに涙した夜も、喜びに湧いた瞬間も、私たちの心を強くし、絆を深めてくれました」
 そして、食事面などいつも支えてくれた母、野球の技術や宣誓の文言を相談した父、指導者や卒業生、地域で応援してくれる人たちに向けて、「選手一同」の代表として「恩返しの気持ちを胸に、全力で野球に向き合い、魂を込めてプレーすることを誓います」と締めくくった。
始球式に島根フィルティーズ 開幕試合の始球式は、島根県川本町を本拠とする山陰地方初の女子硬式野球クラブチーム「島根フィルティーズ」の主将、恩田楓可(ふうか)さん(26)が投手を、紺屋唯さん(18)が捕手を務めた。
 恩田さんは松江市出身で「このマウンドはボーイズだった中学1年以来。緊張して、手汗でボールが滑りそうだったけど、かつて見た光景の中で声援をもらって楽しかった」。
 紺屋さんは「元気出していこー」と守備陣を鼓舞し、ミットで受けた球を素早く二塁に送球。「掛け声に、選手が元気に応えてくれてうれしかった」と、そろって笑顔を見せた。
 島根フィルティーズは、女子野球による地域活性化をめざす川本町が設立。全国でプレーしていた18~26歳の選手13人が移住して入団し、監督は元プロ野球選手で同県大田市出身の森山一人さん(51)が務める。中四国女子硬式野球連盟のルビー・リーグ3部に参戦し、1部への昇格をめざしている。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。
今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません


【はじめるなら今】記事読み放題のスタンダードコース1カ月間無料+さらに5カ月間月額200円!詳しくはこちら

島根:朝日新聞デジタル 2025-07-10 [Edit / 編集]

削除Pass(任意、英数字4~12文字) [Confirm/確認]
No. 削除PassかIPアドレスのどちらかが合致すれば削除出来ます
削除Pass(任意)