津に滞在、アート制作 群馬出身のイチカワさん成果展 水の豊かさ自由に描く 三重
【制作するイチカワさん=津市久居東鷹跡町の久居アルスプラザギャラリーで】
【津】群馬県前橋市出身の現代美術家、Yoko Ichikawa(ヨウコ イチカワ)さん(35)が、三重県津市に滞在し作品制作に取り組んでいる。公募で選ばれた芸術家が地域と関わりながら創作する市久居アルスプラザ=同市久居東鷹跡町=の企画「HISAI芸術家の住む町プロジェクト」の一環。約1カ月かけ、リサーチと制作をした成果を18日から発表する。30日まで。火曜休館。
イチカワさんは国際基督教大アーツ・サイエンス学科から一橋大院言語社会学科修了。大学在学中に並行して桑沢デザイン研究所で学び、会社員を経て平成30―令和2年渡英。これまでに国内外9カ所で滞在型の制作をしている。
津市には6月20日から滞在。取材を通じて地元久居の玉㳬寺(ぎょくせんじ)や芸濃町の龍王桜などに伝わる龍神伝説、海ならではの祭りなど水の豊かさに着目した。日光写真の技法を使って川や砂浜で露光し着色したシルクオーガンジーの布に、龍のうろこをイメージした流体を自由に描いている。
展示は縦約2―3メートル、横約1・4メートルの布36枚を天井からつるす「布のシャンデリア」。色の微妙な違いや描いた模様が布の透けにより層を成すという。
イチカワさんは「群馬は海がないので三重の海の文化を目新しく感じるが、地元の人にとっては水の豊かさが日常になっている」と指摘し「外からの視点で三重をテーマに作った作品を見て、愛郷心を高めてもらえたら」と話した。
関連企画として20日午後2時―同3時、イチカワさんと県立美術館学芸員の原舞子さん、建築家の大室佑介さんのトークイベントがある。事前申し込み不要。
伊勢新聞 2025-07-17 [
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