兄から受け継いだ思いとエルボーガード 倉敷商・佐々岡優翔選手
(25日、第107回全国高校野球選手権岡山大会準決勝 岡山学芸館3―2倉敷商)
2点を追う八回表。倉敷商の先頭打者・佐々岡優翔(ゆうと)選手(3年)は、遊撃手が三遊間を詰めたと気づいた。「投手が遅い球を投げるんだな」。岡山学芸館のエース青中陽希投手(3年)得意のチェンジアップをすくい上げ、左翼線へ落として二塁打とした。
塁上で外したエルボーガードは少し古びている。二つ上の兄・藍翔(あいと)さんから譲られた。倉敷商で一昨年の主将を務めた兄は決勝で敗れた。「お兄ちゃんの分まで甲子園に行く」と心に決めた。
取り返したい理由もあった。五回裏の守備。2点差にされての1死一、二塁、併殺を狙った一塁転送が低くそれ、3点目を奪われた。「併殺を取る気持ちが前に出すぎてひっかけてしまった」
自ら2点目の本塁を踏んで1点差に迫ったが、反撃はそこまで。試合終了を次打者席で迎え、唇をかみしめた。「自分のせいで負けた。申し訳ない気持ちしかなかった」
兄と一緒にプレーできる大学を目指す。エルボーガードは、やはり野球をしている中学2年生の弟に託すという。
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岡山:朝日新聞デジタル 2025-07-26 [
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