市街地でのクマ出没、発砲可に 市町村判断の「緊急銃猟」富山で訓練
市街地などに出没したクマを捕獲する際、市町村長の判断で銃を使える「緊急銃猟」が9月に始まるのに備えて25日、富山県が県総合運動公園(富山市)で訓練を行った。市町村職員や警察官、猟を委託される猟友会員ら145人が参加し手順を確かめた。
従来、市街地などでは銃による猟が禁じられ、非常時には警察官の命令などで応急的に実施されていた。ここ数年、野生動物が頻繁に人の生活圏に現れ、人身被害も相次ぐことから、鳥獣保護管理法の改正で緊急銃猟が導入された。
この日は、野生鳥獣対策連携センター(本社・兵庫県)取締役の上田剛平さんが、緊急銃猟の法的要件や、猟を担う人の心構えを説明した。山間部とは状況が全く異なり、1発の銃弾で仕留める技術や、日頃の銃の手入れなどが重要だと話した。
図上演習では、会場の運動公園にクマが出没して居座ったと想定し、緊急銃猟の手順を考えて実施計画を作った。実地訓練では、富山市のチームが、周辺の通行止めや避難の呼びかけ、発砲などをシミュレーションした。
県自然保護課の朝山弘康課長は「緊急銃猟では地域にいる人の安全確保が重要になる。参加者は今日の体験を持ち帰り、態勢づくりに生かしてほしい」と述べた。
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。
今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません
富山:朝日新聞デジタル 2025-08-26 [
Edit / 編集]