滋賀県彦根市と4町のごみ処理施設、焼却方式に戻す案否決 組合議会
滋賀県彦根市と近隣4町のごみ処理施設の新設をめぐり、彦根愛知犬上広域行政組合は25日、議会を開いた。好気性発酵乾燥(トンネルコンポスト)方式をやめて、ごみ焼却方式に戻そうという管理者側の提案を否決した。
ごみ処理施設をめぐっては、炉を使う焼却(熱回収)方式とされていたが、彦根市の前市長が好気性発酵乾燥方式を提案し、議会が2月に認めた。だが、4月の市長選で田島一成氏が好気性発酵乾燥方式の中止を掲げて当選した。
田島氏は組合の管理者に就き、副管理者の愛荘、豊郷、甲良、多賀の4町長に合意を得たうえで、ごみ焼却方式に戻す案を25日の議会に出した。
この日の議会では5市町の19議員が審議した。管理者側は好気性発酵乾燥方式の中止の理由に、市町の費用負担が課題だとし、国の交付金が建設費の3分の1にとどまることを挙げた。
さらに新方針として、炉を使う焼却方式が基本▽建設候補地は彦根市西清崎地区を優先▽基本計画の変更は来年8月までに議会に諮るとした。事業費は従前の方式の378億円以下をめざすと説明した。
議員から「好気性発酵乾燥方式で交付金が3分の1でも、彦根市の負担は焼却方式より安い」「方針転換で将来の市民負担が増えるか減るか、数字で示すべきだ」などの反対意見が出た。
その結果、9対9の賛否同数となり、議長の裁決で否決された。
田島氏は「制度設計が悪かったのか、(2月に議会が示した)好気性発酵乾燥方式を維持して実験すべきとの意思が今回も示されたのか、冷静に振り返る。整備が遅れるのは間違いないが、4町長と相談して対応を考えたい」と述べた。
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滋賀:朝日新聞デジタル 2025-08-27 [
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