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桂慶枝襲名 ふるさと沸く 12年過ごした草津で公演 客席参加型

 落語家の桂慶枝(けいし)さん(64)が滋賀県草津市で襲名披露公演を開いた。昨秋、名跡・桂慶枝を五代目として襲名。約12年間を過ごした〝ふるさと〟での凱旋(がいせん)公演に、客席は大いに沸いた。
 客席参加型の落語という独自のスタイルで知られる慶枝さん。24日に草津アミカホールであった公演でも、お客さんを巻き込んだ。
 まず演じたのは創作落語「テレショップパニック」。主人公の家に、テレビショッピング番組の司会者がやってきて商品を売りつける話だ。
 「私が商品を紹介するので、皆さんは後ろのおばちゃんの役をやっていただきます。私が手のひらを前に突きだしたら『おー』。引いたら『えー』と言って、お付き合いください」
 ドタバタと展開する物語の合間に、客の「おー」「えー」という声が加わり、最後まで笑いが絶えなかった。
 中入りを挟んで演じたのは上方落語の長編「地獄八景亡者の戯れ」。冒頭で「自由に作り替えられるところが面白い」と紹介した通り、現代風にアレンジした内容をにぎやかに演じた。
 慶枝さんは大津市で生まれ、小学4年生から大学卒業までの約12年間を草津市で過ごした。落語を始めたのは中学時代。「ホームルームでちょっとやったら受けたんで、調子に乗って……」。高校と大学では落語研究会に所属した。
 素人参加のテレビ番組への出演をきっかけに桂三枝(現・六代桂文枝)さんと出会い、大学を卒業した1984年3月に入門。桂三風と命名され、主に創作落語を手がけた。
 昨年9月に五代目桂慶枝を襲名した際は「1910(明治43)年以来となる名跡の復活」と話題になった。「現代の落語を後世に残していくような噺家(はなしか)になりたい」と抱負を口にする。
 コロナ禍前までは草津市内で独演会を開いていた慶枝さん。久しぶりとなる草津での舞台は「思ったよりも笑ってもらえた」と喜んだ。
 草津には中学や高校の同級生がたくさん住んでいるといい、「生まれは大津だが、ふるさとは草津の方だと思っている」と話す。
 草津市のイメージや認知度アップのために活動する、市ゆかりの著名人のPR集団「くさつブースターズ」のメンバーでもある。今後、市内の地域ごとに面白いエピソードを盛り込んだ落語を作りたいという。「何年かかるかは分かりませんが、落語家は定年がないのでね」と言って笑った。

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滋賀:朝日新聞デジタル 2025-08-29 [Edit / 編集]

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