手書き文字 探る介護予防 米原市・筑波大・明治大・ワコム 研究へ
年をとると、手書きの文字が変わる傾向にある。そのことを分析し、介護予防につなげる研究を滋賀県米原市と大学、企業が今秋から始める。高齢者が電子ペンで平仮名などを書いたデータから、認知や身体の機能との関連、書く習慣が認知機能の維持に効果があるかを探る。
米原市は、市民の約3人に1人(31%)の1万1375人が65歳以上の高齢者だ。高齢者の約5人に1人(19%)が介護の必要な状態だという。
市はこれまで、筑波大の山田実教授(老年学)の協力で、筋力や活力が衰える「フレイル(虚弱)」対策としてなわとび体操の開発などに取り組んできた。
今回は、手書きの個性を研究する明治大の中村聡史教授(情報学)と、電子ペンやタブレットなどの道具を提供する株式会社ワコムが加わる。
11~12月に高齢者約1千人を対象に、市内4カ所で体力測定会を実施。利き手と、もう一方の手で文字を書いてもらう。
書く速度や筆圧も記録できるといい、平均的な字形からの逸脱などを検証する。研究は2026年度末まで続けるという。
山田教授は「文字が認知機能低下の兆しになるなら、将来の要介護のリスクを知り、予防に役立てられる」。ワコムの井出信孝社長は「文字からフレイルを可視化できれば、筆記習慣を高齢者の健康維持に使える」と期待する。
角田航也市長は「文字を書く日常活動がフレイル対策に取り入れられれば、誰でもできる高齢社会対策に貢献できる」と話した。
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滋賀:朝日新聞デジタル 2025-08-30 [
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