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「TKB」で災害関連死防げ、横浜市が一式購入へ 避難環境底上げ

 「トイレ・キッチン・ベッド」、略して「TKB」。横浜市はこれらを「TKBユニット」として今年度中に購入し、災害時に「ゼロから避難所をつくる」ための試みを始める。被災状況に応じて臨機応変に避難所をつくり、災害関連死を防ぐことが目的。「TKB」一式を購入するのは、自治体としては全国でまれな取り組みだという。
 市によると、購入するのはトイレトレーラー5台とキッチンカー1台、簡易ベッド300台。
 市内には459カ所の避難所があるが、それとは別に、公園などのまっさらな土地にテントやシャワー、電源装置とこのTKBユニットを配置し、およそ300人が滞在できる避難所を一つつくる想定だ。
 予算は3.2億円。避難所運営の先進国イタリアの事例や、「TKB48」(TKBを48時間以内に避難所に届ける)を提唱する「避難所・避難生活学会」の実証実験などを参考にしているという。来年度から、購入したTKBユニットの実証実験を行い、実用に向けて準備する計画だ。
 昨年1月の能登半島地震では、避難所に簡易ベッドが届かず、多くの避難所が「雑魚寝」状態だった。
 こうした事例を踏まえ、市は3月、地震防災戦略を改定。衛生環境の整備やプライバシーの保護、温かい食事の提供など、避難環境を整えることを柱に据えた。
 既存の避難所にも、2029年までに、想定される避難者数分の折りたたみ式簡易ベッドやパーティションなどの配置をすすめ、それぞれの備蓄庫に保管する。
 市地域防災課の田中薫避難等支援担当課長は「災害関連死は避難所の環境が大きな要因になっている。既存の避難所の環境改善とあわせてTKBユニットの取り組みをすすめ、避難環境の底上げをしたい」と話す。

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神奈川:朝日新聞デジタル 2025-09-14 [Edit / 編集]

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