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/4 幻想世界へいざなう 影絵作家 藤城清治さん(100) 尽きぬ意欲、心象生き生き /群馬

 大きな瞳を瞬かせるこびとや猫のシルエット、木漏れ日が光る木々の枝――。那須町に私設美術館をもつ100歳の影絵作家、藤城清治さんの作品には、日本中の全世代がそれぞれの思い出を呼び起こされる。【藤田祐子】
 1924年、東京生まれ。戦時下に学徒動員された体験が創作の原点となった。「少年兵は、人間として考えることをやめさせられる。それが訓練の合間に人形劇をすると泣いたり笑ったり。戦況は悪化して、やるほうも命懸け。苦しい時こそ夢や希望を描くんだ、という思いで一生懸命だった」と振り返る。
 影絵を始めたのも、戦後、画材がなくとも光があれば表現できたから。「ある時、停電になって、ろうそくの明かりで人形を動かしたら、映った影の形が変わって喜ばれた」。片刃のかみそりで切った紙を重ねて光を当て立体感を出す独自の作風を編み出し、50代からは繊細な色彩に作品世界を広げた。

群馬 | 毎日新聞 2025-01-06 [Edit / 編集]

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