インフルエンザ、岡山県内も猛威 患者は過去最多、入院も急増
インフルエンザが岡山県内でも猛威をふるっている。定点に指定されている県内84の医療機関から昨年12月23~29日に報告された患者数が、1医療機関あたり63.76人となった。県によると、現在の統計方法になった2006年以降で過去最多という。入院患者も急増し、医療逼迫(ひっぱく)の恐れがあることから、県はマスクの着用や手洗いの徹底などを呼びかけている。
県によると、昨年12月26日にインフルエンザ警報を発令して以降も患者数が急増。前週の31.95人から倍増した形だ。保健所別では、倉敷市保健所の管内が最も多く103.88人。次いで備中保健所が67.58人、岡山市保健所が63.14人などとなっている。県全体の報告患者数は昨年9月2日以降1万386人となり、1万人を突破した。0~14歳が5784人で、全体の半数以上を占めている。
最多は倉敷市保健所管内 入院患者の半数は高齢者 県内5カ所の定点医療機関に入院した患者の報告数も、昨年12月16~22日は19人だったが、同23~29日は54人、同30日~1月5日は84人と急増している。今シーズンの年齢別の累計でみると、入院患者は80歳以上が46人、70~79歳が43人で、70歳以上の高齢者が全体179人のほぼ半数を占めた。
県は、高齢者や基礎疾患がある人などには予防接種を検討するよう促している。発熱などの場合は、無理をして学校や職場などに行かず、早めに受診し休養を取るよう呼びかけている。
県医師会「医療逼迫の危機」 感染対策徹底呼びかけ インフルエンザの流行を受け、県医師会は9日に緊急会見を開き「救急医療態勢が逼迫(ひっぱく)の危機にある」と感染対策の徹底を呼びかけた。松山正春会長は会見で「流行、拡散が非常に早く、広い。何とか阻止していかなければならない」と訴えた。
同会によると、この年末年始、医療機関に救急搬送の受け入れ要請があったうち、実際に受け入れた割合にあたる「応需率」は、昨年12月23~26日は70%前後だったが、同27日に63.24%に落ちた。同28日~1月5日はさらに落ち込んで、12月31日(57.43%)を除けば50%前後で推移した。新型コロナが流行していた時期の年末年始と同水準だったという。
昨年12月28日~1月6日に、岡山市消防が発熱の訴えで救急搬送したのは7歳未満が前年同期比21件増の48件、65歳以上が同128件増の342件となり、乳幼児や高齢者が多かった。発熱の訴えを含む出動件数は、昨年12月29日に過去最多を記録したという。
50代の患者が診断後数日で重症肺炎となって死亡したケースや、ワクチンを接種していても発症したケースもあった。県医師会の神崎寛子副会長は「(コロナ禍の)長いマスク生活でウイルスにさらされず、基本的な抵抗力が少し下がっていた可能性がある」との見解を示した。
県医師会は感染対策の徹底のほか、家族に体調不良者がいる場合は家庭でもマスクをするよう訴え、態勢が整っている日中に医療機関を受診するよう呼びかけた。
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岡山:朝日新聞デジタル 2025-01-10 [
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