第2回寄付で建て、遍路文化を次世代へ 「ヘンロ小屋」は四国版リングです
大阪・関西万博の会場に設置される「大屋根リング」は、完成すれば世界最大級の木造建築物になるらしい。約344億円ともいわれるその建設費に驚きながら四国の地図を眺めていて、あることに気づいた。「四国にも人々が巡る『円』があるではないか」。言わずと知れた四国霊場八十八カ所を巡る遍路道だ。
1400キロにも及ぶその全長は、本家リングの700倍。「円」の上には、さまざまな思いを抱きながら長い行程を歩き通す「お遍路さん」が休憩するための「ヘンロ小屋」が点在している。1400キロもの円環に、人と人とのつながりで造られている木造建築物……。勝手ながら、これを四国万博版「リング」に見立ててみた。
ユーチューブで大反響の「友近サスペンス劇場」 好きなものとことん ヘンロ小屋の一つを訪ねた。
山道を進んだ先に立っているヘンロ小屋47号「大根」=2024年12月14日午後1時29分、徳島県阿南市、宮沢崇志撮影 21番札所の太龍寺(徳島県阿南市)を過ぎると、遍路道は大根(おおね)峠を越える未舗装の山道に入る。歩き遍路を苦労させる山道がもうすぐ終わるという場所に、ヘンロ小屋47号「大根」が立っている。
角材を積み上げた構造の小屋で、中にベンチが置かれている。2013年に完成した大根には、四国八十八ケ所ヘンロ小屋プロジェクトの主宰者で建築家、元近畿大学教授の歌一洋(いちよう)さん(76)が寄せた「祈りの塔」という文章が掲げられていた。
ヘンロ小屋47号「大根」には、「祈りの塔」と題した歌一洋さんの文章が記されている=2024年12月14日午後1時30分、徳島県阿南市、宮沢崇志撮影 「山道を歩いてきて、休みたい、というところにあるでしょう。眺めもよく、最高のええ場所なんです」
話を聞きに行った大阪市の事…
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香川:朝日新聞デジタル 2025-01-11 [
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