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通話しながらATMを操作…「詐欺被害では」目撃した12歳は動いた

 特殊詐欺の被害を水際で防いだとして、警視庁練馬署は10日、板橋区立成増小学校6年の高橋海至(みちか)さん(12)に感謝状を贈った。コンビニのATMで携帯電話を使用している男性を見て違和感を持ち、駐車場にいた警察官の父親に助言を求めたといい、「人助けができて、すごくうれしい気持ちです」と話した。
 高橋さんは5日午後7時半ごろ、買い物をしようと入った練馬区のコンビニで、60代の男性が携帯電話で通話しながらATMを操作しているのを見かけた。そこで思い出したのが、かつて銀行で見たポスターだ。ATM付近で携帯電話を使っている人を見たら、特殊詐欺を疑うように呼びかける内容だった。
 「大丈夫かな」。高橋さんはすぐに父の秀知さん(47)が待つ駐車場に向かい、「詐欺に遭っている人がいるかもしれない」と伝えた。秀知さんは同庁の警察官。特殊詐欺を疑い、2人で男性のもとに急ぎ、「どうしましたか」と声をかけた。その後、秀知さんが電話をかわり、ATMの操作をやめてもらった。
 男性は1時間ほど前、通信会社を名乗る人物から「未納料金があり、裁判所で手続きが行われる。一時的に料金を払って」との電話があり、慌ててコンビニを訪れていた。明らかに特殊詐欺だった。
 高橋さん親子は、男性から「守ってくれてありがとう」と感謝された。秀知さんは息子のとっさの行動を「人の役に立ち、我が子ながら大したものだ」と振り返った。
 高橋さんの夢は、「子どもも大人も憧れるプロのサッカー選手」。男性を救ったときも、サッカーの合宿から帰宅する途中だった。ポジションはディフェンスだ。練馬署の加藤雄一署長は「犯罪もディフェンスしてくれてありがたい。引き続き、街全体で特殊詐欺を防いでいきたい」と話した。

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東京:朝日新聞デジタル 2025-01-12 [Edit / 編集]

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