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0系新幹線の生みの親、その平和への思いを伝える 次女が紙芝居上演

 0系新幹線の生みの親と呼ばれる、香川ゆかりの技術者三木忠直(1909~2005)の次女で東洋大名誉教授の棚沢直子さん(82)=神奈川県逗子市=が12日、香川県さぬき市で三木の業績を紹介した。
 棚沢さんは親戚が制作した紙芝居を上演。子どもたちに好奇心や応用力を大切にするように求め、かつて特攻機を設計した三木の平和への思いを継承するよう呼びかけた。
 三木は岩手県生まれだが、小中学生時代を高松市で過ごし、旧制高松中学校(現、高松高)を卒業。東大を経て1933年、海軍省に入り、爆撃機「銀河」や特攻機「桜花」を設計した。
 戦後は旧運輸省の鉄道技術研究所に入り、かつての軍用機の設計経験を生かし、東京―大阪間を2時間半で結ぶ懸垂型モノレール「レールプレーン」を提唱。1964年に開通した東海道新幹線を走った初代車両、0系車両の設計に携わった。
 紙芝居は、同市で開かれた、子どもたちに地元ゆかりの偉人の功績を実験を通じて伝えるイベントで披露された。棚沢さんの親戚のアーティスト、矢部雅子さん(57)がこの日のために制作し、棚沢さんが上演。60人が鑑賞した。
 棚沢さんは「味方まで殺してしまう特攻兵器を作り、戦争に加担したことに父は生涯苦しみ、平和な日本にしなければ、と決意していた」と話した。また、「父は飛行船から、新幹線の流線形や卵の殻のようなモノコック構造、低重心などを着想した。何にでも興味を持つ好奇心と、改良により新しいものを作る応用力を身につけてほしい」とも訴えた。
 高松市の太田小4年、吉村航さん(10)は「飛行機を作っていた人が新幹線を作ったのはすごいと思った」と話していた。

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香川:朝日新聞デジタル 2025-01-13 [Edit / 編集]

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