「舌出し天使」の写真家・立木義浩さんがトークショー
写真家の立木義浩さん(87)が世に広く知られるきっかけとなった作品「舌出し天使」の制作などを語るトークショーが12日、フジフイルムスクエア写真歴史博物館(東京都港区赤坂9丁目)であった。
3月26日まで開催中の立木さんの企画写真展にあわせて開かれたイベントで、写真愛好家など約40人を前に語った。27歳のときに発表した「舌出し天使」は雑誌「カメラ毎日」(1965年4月号)の「付録写真集」で56ページにわたり掲載された。当時17歳のモデル山添のり子さんが、東京・秋葉原や後楽園を駆け回る姿をライブ感たっぷりに撮った。山添さんが目を大きく開き、長い舌を出したポートレートをはじめ、疾走感あふれるドキュメンタリーとして、写真界に衝撃を与えた傑作とされる。立木さんは「編集者の山岸(章二)さんと(イラストレーターの)和田誠と僕と、それになぜか(写真家の篠山)紀信がいた」と膨大なカットから掲載作を選ぶ作業を振り返った。誌面構成を和田さんが担い、若手クリエーター仲間のひとりだった歌人で劇作家の寺山修司さんがいくつかの作品に詩を付けた。篠山さんとは行動をともにすることが日常だったという。立木さんは「寺山修司のウチにドサッと写真を持っていって『写真集をつくるから中に詩を入れて。さよなら』って。もう実に乱暴だね。今でいえば(宅配便の)配達人がポンと置いてくような感じでやったんだ。今から世の中に出るぞっていう感じの人ばっかりだった」と話した。
イベント後に立木さんは「感性が鋭いモデルに街を泳いでもらった。作品の最後を飾る写真を撮るため訪れた新潟・越後湯沢にはスキー列車で立ちっぱなしで行ったのだが、話が弾んであっという間だった」と明かした。
企画写真展「舌出し天使 CONTACT SHEETS ―眼差しの軌跡―」は、同作品から立木さんが新たに選んだ25点などを展示。無休で入館無料。トークショーは2月16日、3月15日の各午後1時からも開催予定。参加無料、予約不要。問い合わせは03・6271・3350へ。
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東京:朝日新聞デジタル 2025-01-13 [
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